再生可能エネルギーは今後も必要とされる
今後のプライベート・クレジットの注目ポイントに、エネルギー・トランジション(再生可能エネルギーへの移行)があります。長期的な資金ニーズを背景に、銀行以外の新たな貸し手にとって格好の融資分野だと捉えているからです。
ただし、米国のエネルギー政策がそうであるように、短期的にはいささか怪しい雲行きです。太陽光パネルとリチウムイオン電池は中国が主な供給源です。米国の不透明な関税政策を受けて、開発業者はプロジェクトの進捗ペースを早めることが想定されます。
それでも私たちは、投資機会がなくなるとは考えていません。
たとえ税控除がなくとも、従来の技術に対する競争力があればコストに見合う投資は可能で、各州の政策や電力会社のカーボンニュートラル推進も、再生可能エネルギーの移行を促す大きな役割を果たしています。
投資家は投資機会を厳選する必要に迫られるかもしれません。ただし、生成AIが急成長しているため、米国で増加する電力需要に見合う供給能力の増強がなされる可能性もあり、電力網のエコシステムにおいて再生可能エネルギーは今後も必要とされるとABは考えています。
米国以外の見通しは明瞭です。エネルギー関連のシンクタンクであるエンバーによれば、欧州では2024年上期に、太陽光や風力由来の電力が化石燃料で発電した電力量を上回りました。さらには、2030年にかけて再生可能エネルギー市場は2倍以上の規模に拡大する見込みです。
2024年の世界経済は好調に推移しましたが、2025年は不透明感が高く、先行きについて幅広い見通しがあります。米国の金利が低下すれば借り手の負担は軽減されそうですが、関税の引き上げやインフレ収束の長期化によって利下げ幅は限定的になるかもしれません。
プライベート・クレジット市場は小さな問題が足元で生じつつも、さまざまな資産クラスやリスク・リターン特性を取り込みながら発展していくとABでは考えています。
清森 英晃
アライアンス・バーンスタイン株式会社
プライベート・オルタナティブ部 ディレクター
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