医師は東京へ一極集中。深刻化する医療の地域格差
医師の働き方改革が2024年4月から開始しました。(※)改革の効果を検証するには時期尚早ではありますが、今回の改革に対する私の見方は懐疑的です。事実、医師の働き方改革による影響は、「地域医療の機能不全」という形ですでに現れ始めているからです。
医師の数に関していえば、わが国には二つの大きな問題が存在しています。一つは、医師の数が絶対的に足りないこと、そしてもう一つが、地域によって偏在していることです。
高度成長期以降、わが国の人口は基本的に地方から都市部へと流入し続けており、特に東京圏への一極集中が議論の的になってきました。医師という職業を選択した人についても例外ではありません。
また、都市部の医療機関のほうが患者の数が多く、医療機材や検査体制も充実しているため、臨床の現場で出会う症例も多種多様であり、医師としてもそれだけ豊富な経験を積むことができ、キャリア形成に有利といえます。そういう意味でも、医師にとっては地方より都市部、小さな診療所よりも規模の大きな大学病院のほうが魅力的なのです。
こうした事情から、わが国の医療界では、都市部と地方における医師の偏在が解決すべき課題として長年にわたり問題視されてきました。特に過疎の地域では医師不足が深刻であり、医療を受けたくても受けられない医療難民の発生するリスクが高まっています。
(※)医師の働き方改革|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/ishi-hatarakikata_34355.html
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