素行調査で明らかになった兄の嘘
野口さんから依頼を受けて、野口さんの兄の素行調査を実施したところ、野口さんの予想どおりAさんと今も関係を持っていることが明らかになりました。
「探偵社から受け取った調査報告書には、兄とAさんが一緒に家から出てくる姿と、一緒に家に入っていく姿が鮮明に写った写真が貼られていました。兄はAさんと今も関係を持っているどころか、一緒に暮らしていたのです」
野口さんは、探偵に素行調査を依頼したことは伏せておいた方が無難だと考え、実家に兄を呼び、母の前で「そういえば、この前、兄貴とAさんが一緒にいるところを見かけたけど……」と言ってみました。驚いた母が、「本当なの? Aさんとまだ会っているの?」と兄を問い詰めたところ、兄はしぶしぶ認め、Aさんから「会社を相続すれば再婚してあげる」と言われたことを白状しました。
母は落胆した様子でしばらく黙っていましたが、しばらくして、「会社の経営を任せるという話は白紙に戻します」ときっぱり言いました。
「父が築いてきた会社を守りたい」……野口さんの切実な思い
野口さんには、父が築き上げてきた会社を守りたいという強い思いがあります。
「父は長い間、苦労を積み重ねながら、会社を成長させてきました。私は、他にやりたいことがあって父の会社を継ぐことはできませんでしたが、以前は父の会社で働き、父が人知れず苦労する姿を近くで見てきたので、父が築き上げた会社を守りたいと思っています」
遺産を狙って近づいてくる人は巧妙な手口を使うことも多く、被相続人が大切に築き上げてきた資産が簡単に奪われてしまうケースも珍しくはありません。しかし、今回ご紹介したケースのように、真実を暴くことで、危機を回避できる可能性があるので、諦めないでほしいと思います。
若梅 秀孝
MJ リサーチ綜合探偵社
取締役
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