多国間の協力強化が焦点
内閣府が2月に発表した2024年度の国内外の経済に関する報告書「日本経済レポート」によると、先行きを展望するうえで、特に重要な要因の1つとして海外景気の下振れリスクを挙げ、「米国と中国との貿易摩擦の再燃が生じれば、日本企業の輸出や生産などに影響を及ぼす可能性がある」と懸念を示した。
またトランプ大統領が掲げる各種政策により、「米国の物価動向や為替、金利、株価などに影響が生じうる」と指摘した。第1次トランプ政権時に起きた米中の制裁関税の応酬が日本の景気下押し要因になったとも振り返った。
一方、国際通貨基金(IMF)が1月に公表した「世界経済見通し改訂版」では、2025年の見通しについて、世界成長はまちまちで、かつ不確実と指摘し、「ベースラインシナリオの中期的なリスクは下方に傾いている。
短期的な見通しはリスクがまちまちな点が特徴的」と分析した。特に米国における新たな関税や金利上昇への期待を背景に、「経済政策の不確実性が、貿易と財政面を中心に急激に高まっている」と説明した。
世界経済に関しては、「一連の新たな関税という形で保護主義的な政策が強まると、貿易摩擦が悪化し、投資が減少し、市場の効率性が低下し、貿易の流れが歪められ、再びサプライチェーンが混乱する恐れがある」と指摘した。
そのうえで、「成長は短期的にも中期的にも低下する可能性があり、程度は国によって異なる」と予測し、「リスクを管理するには、インフレ率と実体経済のトレードオフのバランスを取り、バッファーを再構築するほか、構造改革の推進や多国間ルール・協力の強化を通じて中期的な成長見通しを引き上げることに、政策の焦点を当てなければならない」と強調した。
米中の超大国に挟まれて身動きが取れない苦境に陥るのか。あるいは多極主義の世界のなかで無益な争いを避け、国際社会との共存を目指す選択肢を模索するのか。
投資戦略を考慮するにあたり、金融商品、通貨、国・地域、期間、業種、銘柄など、選別力が一段と問われることになりそうだ。
髙橋 文行
池田 祐美
くにうみAI証券株式会社
オルタナティブ・インベストメントプロダクト部
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