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孤独死を防ぐためにできること
ここで誤解してほしくないのは、孤独死自体が悪いわけではないということです。1人暮らしの自宅で死にたいという気持ちは尊重すべきですし、希望はできる限り叶えるべきことだと考えます。
一方で、準備をしておくことは非常に重要です。なにも準備せずに孤独死してしまうと、死後に多くの人を巻き込んでしまう可能性があります。「生きているうちに孤独を味わい、他人に迷惑を掛けなかった」という主張もあるでしょう。死を間際にした人たちへの優しさや故人への敬意が見えない言い方かもしれませんが、それでも死後、他人に負担を掛けてしまっています。
定期的に連絡を取る先を確保したり、民間や自治体の見守りサービスを上手く活用したりすれば、死後に迷惑を掛けない可能性を高めることができます。民間サービスの費用に補助金がでる自治体もあるので、確認してみましょう。
事前に、医療や福祉、自治体への相談や、万が一のときにすぐに発見してもらえる準備が重要です。2日~3日以内に発見してもらえる準備ができていれば、それほど影響は出ません。発見が遅れる主な理由は、誰とも定期的に連絡を取らないことにあります。社会とのつながりが少なくなり、親戚関係も希薄になっている現代、自分からコミュニティに参加する意識が大切です。
これらの準備は終活の一部です。終活が孤独死を防ぎ、社会の負担を減らすための第一歩となります。
終活で行うべき適切な準備
終活とは、単に遺言やお墓の準備をするだけではなく、自分の人生の最期をどう迎えるかを考え、適切な準備をしておくことを指します。特に、孤独死が社会問題となっている現代において、そのリスクを減らすための終活はより一層求められるでしょう。
自分が亡くなったあとにどのような影響を周囲に与えるのかを考える必要があります。
・長期間発見されず、遺体の状態が悪化することで、遺族や近隣住民に精神的負担をかける
・家の後片付けや清掃に大きな費用がかかる
・死後の手続きが複雑になり、関係者に大きな負担を強いる
こうした点を考えることで、適切な準備がみえてきます。
終活は単なる「死への準備」ではなく、自分らしく生きるための最終章を整える活動です。人生の終わりをどう迎えるかを考えることは、いまをよりよく生きることにもつながります。孤独死を防ぐための終活を始めることが、より安心できる未来への第一歩となるでしょう。
〈参考〉
※1 警察庁「令和6年上半期(1~6月分)(暫定値)における死体取扱状況(警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者)について」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/shitai/hitorigurashi/240827_kenshi2.pdf
※2 2024年12月 日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第9回 孤独死現状レポート」
https://www.shougakutanki.jp/general/info/kodokushi/news/kodokusiReport_9th.pdf
柏原 健太郎
株式会社TBH不動産 代表取締役
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