譲り受けたレアカードが相続財産と認定され課税されたGさん
Gさんは1年前に夫を急な病で亡くしました。Gさんは勤め人でしたが、夫は起業してビジネスを成功させた人物で、協力して子育てに取り組んできました。
Gさんの夫が亡くなった時点で子どもは12歳であったため、夫の死去に伴いビジネスの譲渡などで得た財産は2分の1をGさんが、残りの2分の1を息子が受け継ぎ、相続税を納付したうえで残りをGさんが管理していました。
Gさんは夫が若くして亡くなったことにもショックを受けましたが、さらにGさんを苦労させたのが、珍しいもの好きの夫が保有していた財産の把握作業です。
闘病する夫に相続の話題を切り出すことができなかったため死後になってから整理を始めましたが、夫のパソコンやスマートフォンの中身をくまなく調べ、どうにか期限ぎりぎりで税務署に申告することができました。
株式や投資信託はもちろん、さまざまな種類の暗号資産や外貨資産などが含まれており、申告を依頼した税理士も手を焼くほど非常に煩雑なものでした。
相続に関する手続きはひととおり完了しましたが、Gさんの夫が仕事部屋として使っていた部屋の片づけはまだ終わっていません。そこにはさまざまな絵や人形、おもちゃのようなオブジェなど、Gさんには分からないコレクションが雑多に詰め込まれていました。
ある日、Gさんが夫の部屋を整理していると、息子が部屋に入ってきてとあるファイルを見つけるや「すごいレアカードがある」と騒ぎ始めました。興奮する息子に話を聞いてみると、Gさんの部屋の本棚にあったファイルには人気カードゲームの有名なレアカードが10枚ほど入っていたらしいのです。
息子はこのカードをネットオークションに出品したいと提案してきました。そこでGさんは試しにその10枚について出品することを許可したところ、最高で1枚200万円近い高額の入札が入ったのです。
Gさんと息子はこの結果に驚くとともに予想外の臨時収入に戸惑いましたが、その後にもっと戸惑う出来事が待ち構えていました。高額なカード取引が税務調査の対象となり、相続申告について税務調査が入ることになったのです。
8/23(土)THE GOLD ONLINE フェス2025 SUMMER 連動企画
「THE GOLD ONLINE 川柳コンテスト」作品募集!
※募集期間:6月1日~8月13日