ただのガラクタかと…亡き夫の部屋から出てきたカードに〈200万円〉の入札。税務署が嗅ぎつけた、資産価値のある「コレクション」【追徴課税のリスクをプロが解説】

ただのガラクタかと…亡き夫の部屋から出てきたカードに〈200万円〉の入札。税務署が嗅ぎつけた、資産価値のある「コレクション」【追徴課税のリスクをプロが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

近年はトレーディングカードやフィギュア、古着などさまざまな物品に価値が見出されるようになり、一見して価値の分からないものが相続財産の対象となる場合があります。資産戦略コンサルティングを行う鈴木子音氏の著書『不動産で資産を守る・受け継ぐ 富裕層ファミリーの相続戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部抜粋・再編集し解説します。

譲り受けたレアカードが相続財産と認定され課税されたGさん

Gさんは1年前に夫を急な病で亡くしました。Gさんは勤め人でしたが、夫は起業してビジネスを成功させた人物で、協力して子育てに取り組んできました。

 

Gさんの夫が亡くなった時点で子どもは12歳であったため、夫の死去に伴いビジネスの譲渡などで得た財産は2分の1をGさんが、残りの2分の1を息子が受け継ぎ、相続税を納付したうえで残りをGさんが管理していました。

 

Gさんは夫が若くして亡くなったことにもショックを受けましたが、さらにGさんを苦労させたのが、珍しいもの好きの夫が保有していた財産の把握作業です。

 

闘病する夫に相続の話題を切り出すことができなかったため死後になってから整理を始めましたが、夫のパソコンやスマートフォンの中身をくまなく調べ、どうにか期限ぎりぎりで税務署に申告することができました。

 

株式や投資信託はもちろん、さまざまな種類の暗号資産や外貨資産などが含まれており、申告を依頼した税理士も手を焼くほど非常に煩雑なものでした。

 

相続に関する手続きはひととおり完了しましたが、Gさんの夫が仕事部屋として使っていた部屋の片づけはまだ終わっていません。そこにはさまざまな絵や人形、おもちゃのようなオブジェなど、Gさんには分からないコレクションが雑多に詰め込まれていました。

 

ある日、Gさんが夫の部屋を整理していると、息子が部屋に入ってきてとあるファイルを見つけるや「すごいレアカードがある」と騒ぎ始めました。興奮する息子に話を聞いてみると、Gさんの部屋の本棚にあったファイルには人気カードゲームの有名なレアカードが10枚ほど入っていたらしいのです。

 

息子はこのカードをネットオークションに出品したいと提案してきました。そこでGさんは試しにその10枚について出品することを許可したところ、最高で1枚200万円近い高額の入札が入ったのです。

 

Gさんと息子はこの結果に驚くとともに予想外の臨時収入に戸惑いましたが、その後にもっと戸惑う出来事が待ち構えていました。高額なカード取引が税務調査の対象となり、相続申告について税務調査が入ることになったのです。

 

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※本連載は、鈴木子音氏の著書『不動産で資産を守る・受け継ぐ 富裕層ファミリーの相続戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部抜粋・再編集したものです。

不動産で資産を守る・受け継ぐ 富裕層ファミリーの相続戦略

不動産で資産を守る・受け継ぐ 富裕層ファミリーの相続戦略

鈴木 子音

幻冬舎メディアコンサルティング

先を見据えた戦略的な不動産投資で資産を守る! 資産承継のための不動産活用術とは? 富裕層に特化した資産戦略コンサルタントが徹底解説! 2024年、日経平均株価は35年ぶりに史上最高値を更新し、首都圏を中心とした都…

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