教養格差…「頭がいい人」と「悪い人」の差がいつまで経っても埋まらない根本原因【ドラマ『ドラゴン桜』の脚本監修者が解説】

なぜ、シャッター通り商店街は増えたのか？

みなさんの家の近くに、商店街はありますか？　駅前商店街は、昭和から平成にかけてとても大きな賑わいを見せていました。多くの商店街では、駅からの一本道のところにずらっと青果店や鮮魚店、精肉店が並んでいて、道を歩きながら商品を購入することができました。

でも最近は、これらの人気がどんどん落ち込んできて、「シャッター通り商店街」なんて言われるようになってしまいました。なぜ、商店街は廃れてきているのでしょうか？

実はこれ、場所が関係しています。まず商店街は、駅の前に存在していることが多いです。駅は交通の拠点で、人の往来が多い。だからこそ駅前に商店街が作られて、多くの人が利用していたと考えられます。最近それが落ち込んできているのは、逆に、駅を利用する人が少なくなったからなのではないかと考えることができます。

商店街が栄えていた時代に比べると、自家用車を保有している人はかなり増えました。モータリゼーションの加速によって、車を利用して通勤する人も多くなり、地方部は車を持っていない家庭の方が圧倒的に少なく、家庭によっては2台以上所有していることもめずらしくありません。

このように、電車よりも車での移動が多くなってきたことが、実は商店街の人気を減退させた原因のひとつなのです。商店街での買い物は、いろんなお店で商品を買った後に、電車に乗って（または徒歩で）家まで荷物を運ばなければならないので、持ち運びが大変ですよね。

その点、車だと大量の荷物が運べるので、楽に買い物ができます。ファミリー層にとっては、日用品や食料品をまとめて買うことができるため、車を使ってスーパーに行く方が楽でしょう。スーパーには駐車場があることが多いため、その駐車場を使えば荷物を運ぶことが容易です。それに、同じチェーンであれば、他の地域の店舗でも使えるポイントも貯まるのでおトクですよね。

平成の中頃から終盤にかけて、特に地方にはイオンをはじめとして、たくさんのロードサイドショップが作られるようになりました。大規模な駐車場を完備して、食料品店だけでなく家具店や書店、場所によっては映画館まで備えた大型店舗がいくつも作られ、そこにお客さんを取られてしまった商店街は、どんどん寂れていったというわけですね。

決して、「イオンが便利だからシャッター通り商店街が増えた」ということだけではありません。電車から車に移動手段の中心が変わったことが要因のひとつだと考えることができるのです。このように、「何で移動しているのか」を考えるのはとても重要です。

西岡 壱誠

株式会社カルぺ・ディエム

代表

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