「ホットペッパー」と「じゃらん」は何が違う?
「ホットペッパー」は、レストランや美容室、サロンの情報が得られ、予約ができるサイトですね。「じゃらん」は、旅行先の宿の情報などが得られ、予約ができるサイトです。
どちらも同じ会社が運営している「お店の情報が載っていて、予約ができるサイト」ですね。一見するとほぼ同じサイトだと感じられると思うのですが、この2つには、大きな違いがあります。ズバリ、お金の稼ぎ方が全然違うのです。何かビジネスの情報を集めるときに重要なのは、「どこで、どうやってお金を得ているか」を考えることです。その点で調べてみると、面白いことがわかります。
「ホットペッパー」は、サイトに情報を登録して掲載するのにお金が発生します。お店から、「掲載料」という形で、お金をもらっているわけです。それに対して、「じゃらん」はサイトに情報を登録するのにはお金はあまりかからないようになっています。でも、もし予約をした人がいたら、その人の払ったお金の一部が、仲介手数料として「じゃらん」に支払われます。先ほどの「掲載料」とは違って、「仲介手数料」をもらうビジネスなのです。
ですから、運営会社にとって「ホットペッパー」は「とにかく多くのお店が登録してくれるのがプラス」であり、逆に「じゃらん」は「登録件数が多いかどうかはあまり気にしなくていいので、とにかく多くの人が利用してくれるのがプラス」になるわけです。
さて、「へえ、そうなんだー」と思ってもらった上で、もうひとつみなさんには考えてほしいことがあります。このモデルの違いが、ビジネスにおいてどのような違いを生むかわかりますか?
「じゃらん」の方は、しっかりと宿の人と相談して、「どうすれば人が来てくれるのか」「どんなふうに情報を掲載したら人が来やすいのか」を考える必要があるビジネスです。「じゃらん」に掲載しても、お客さんが少なかったら意味がなくなってしまうからです。
それに対して「ホットペッパー」は、どれだけ多くのお店がサイトに情報を掲載してくれるかがポイントになります。そのお店にどれだけ人が来るかは、掲載しているお店次第になっているわけですね。
だから、ということかはわかりませんが、「じゃらん」のサイトを見ると、さまざまな旅行のパッケージがあることがわかります。このパッケージで泊まってくれれば、運営会社にその仲介手数料が入るわけですね。
みなさんがお店を経営している人であれば、こうした細かい違いを知っておくことはとても大きなプラスになるでしょう。相手がどこで儲けている会社なのかがわかれば、win-winの関係性を築くことができるかもしれないからです。しっかりとこのポイントを見極めるようにしてみてください。
Point
・同じようなサービスであっても、ビジネスモデルが違うものがある
・お金の稼ぎ方によって、ビジネスの違い・仕事の仕方が変わる場合がある
