1500Wで1分、500Wで3分の冷凍食品…1000Wでは何分?
「真ん中」を求めるときには、隠された数字を考える必要があります。おそらく多くの人は、この問いの答えを、「2分」だと考えるでしょう。1500Wと500Wの中間が1000Wですから、1分と3分の中間である「2分」が答えなのではないか、と。でも実は、この解答は間違いです。
数字を扱う場面で、「真ん中はなんだろう?」と考えることは多いです。でも「真ん中」って、直感的に考えてしまうとうまくいかない場合が多いんです。
例えば、みなさんは、「1/3と1/5の中間の数」はいくつかわかりますか? 3と5という数字を見て、「3と5の中間なんだから4だろう。1/4ではないか」と考える人が多いと思いますが、実はこれも違います。1/3と1/5の分母を揃えると、1/3→5/15で1/5→3/15になりますよね。
ですからこの問いは、「5/15と3/15の中間の数はいくつ?」という問題と等しいのです。そうなると正解は、4/15となります。1/4ではないわけです。「真ん中」を考えるときに必要なのは、「目に見えない数字を意識できるか」です。先ほどの問題であれば、「5/15・3/15」という数字を探す思考をしなければならないわけです。
そもそも電子レンジとは、一定の熱量を加えることで、中に入れた料理を温めるためのものです。そして、温めるために使う電力がW(ワット)であり、その電力を一定の時間使えば、一定の熱量(J=ジュール)がその料理に加わることになります。計算式で言えば、「熱量(J)=電力(W)×時間」になるのです。
そして、必要になってくる熱量は変わらず、電力が少なければ長い時間電子レンジを使わなければなりませんし、電力が多ければ電子レンジを使う時間も短くてよくなるということです。
90000Jで完全に温まるとしたら、500Wの場合、90000J=500W×180秒(3分)となります。1500Wの場合、90000J=1500W×60秒(1分)となります。
そして今回、1000Wになりました。この場合は、1000W×〇秒=90000Jであり、〇の中に入るのは90になりますので、1分半が必要な時間ですね。
ちなみに熱量については、中学校の理科の授業で習うわけですが、こうやっていざ問題として出されると、解けないものですね。見えない数字を探す思考をしっかりと身につけておいてください。
もう一例、見てみましょう。
車の速度と移動時間の関係です。行きは60km/hの速さで目的地へ。帰りは120km/hの速さで家へ戻ってきたとします。このとき、平均してどれくらいの速さだった?と問われたら、どのように考えるべきでしょうか?
実はこの問題も、単純に「60と120の平均で90km/h」とはならず、きちんと計算すれば80km/hで走っていたとわかります。「真ん中」だから「半分」と考えるのではなく、このようにしっかりと計算して真ん中を考えるようにしましょう。そうしないと、簡単な計算のはずなのに間違えてしまうことも発生します。気をつけましょう!
Point
・「真ん中」と「半分」はイコールではない
・数を求める問題では、本文中で例に挙げた1/3、1/5を通分したときの
15、電子レンジの90000Jのように、書かれていない数字が鍵を握ることがあ
るため、それを探す思考をしよう
