お互いのお金の使い方に対して大喧嘩に
ある日、俊郎さんの通帳記入を終えて中身を確認した紀子さんは驚愕しました。なんと残高がマイナスになっているのです。定期預金の額があったため、自動的に借り入れの状態になっていましたが、マイナス額は約30万円。給与が入ったとしても完全に返済できるわけではありません。その状態がずっと続いていたのです。
紀子さんには借金は一切ありません。
紀子さんは俊郎さんに「これはどういうこと?」と尋ねました。すると、「パチンコで使っちゃって……。返せると思ったけど、どんどんお金を使うようになったんだ。」とのこと。
紀子さんはさすがに、「趣味にお金を使うのはいいけど、借金までしてすることなの?」と言わずにはいられませんでした。しかし、俊郎さんも紀子さんに対して鬱憤が溜まっていたのでしょう。「そっちだっていつも高い洋服ばっかり買って! 買ってから一度も着ていない服もあるじゃないか! それにダウンのクリーニング代が1万円ってどういうことなんだよ!」と怒りだしました。
紀子さんは見えないものにお金をかける、つまりパチンコを楽しむ俊郎さんの気持ちが理解できないと同時に、俊郎さんも服なんかどれでも同じという考えのため、お互いの金銭感覚がまったく異なるのです。
借金があるのを隠し、そのうえ紀子さんの貯金負担分を多くしようと提案した俊郎さんに怒りを隠せない紀子さんでしたが、このままでいいわけはありません。
金銭感覚の違いについては徹底的な話し合いが大切
紀子さんはまず俊郎さんが借金を返済するまでは、自分も好きな服は買わないと決め、そのことを俊郎さんに伝えました。
俊郎さんも納得し、返済するまではパチンコに行くのを控えたそうです。
また、紀子さんも確かに服にお金を使いすぎたことを反省し、まず今ある服で生活することを徹底しました。もし購入する際には今ある服をどれか1着をフリマアプリで売ったり、大事にしてくれる人に譲ったりなどして処分することも。
最終的に俊郎さんと紀子さんはお互いに自由に使える金額を4万円程度に決め、残った額を夫婦共通の通帳に入れることにしました。ただ、ボーナス月だけは10万円までは自分の好きなものに使ってもいいというルールを設けました。
光熱費や管理費などの引き落とし口座は夫婦共通の口座に設定しているため、食料品や日用品などは紀子さんが負担し、たまにお昼に外食するなどは俊郎さんが負担することにしています。
現在では毎月2人合わせて35万円貯金ができるようになり、今後の収入の変化を見ながら毎月の貯金額を見直していく予定です。紀子さんは合わせてNISAにも取り組み始めました。
夫婦の金銭感覚は異なるのが当たり前です。しかし、そのまま放置していると、無駄な出費を増やしかねません。そのためには相手に対して妥協案を提案したり、自分の考え方を少しずつ変えたりする努力が必要です。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP
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