車の故障と修理費用が突きつけた“現実”
バーミンガムに着いてから車を見てもらったところ、かなりの修理が必要だとわかりました。私はエンジニアとして働き始めたばかりで、修理代を払うお金が十分になく、自分の車の頼りなさにうんざりしました。あれだけ長い年月を学校生活に費やして一生懸命勉強してきたのに、被災しそうな地域から避難するときの車が使いものにならないなんて。
「あーやってらんないわ! 新しい車を買ってやる!」。腹が立った私はヒューストンに戻ると、車を探し始め、2週間後には2005年式スバル・レガシィに乗っていました。5年間で2万8,000ドルのローンを組みました。
新しい車を手に入れてから数時間のうちに、私の借金は学生ローンの2万2,000ドルから、総額5万ドルに増えました。
エンジニアの仕事はもともと好きになれない気がしていましたが、ここまで嫌になるのは想定外でした。車のローンを組んでから3ヵ月後に、これほど耐えられない仕事を辞められないのは、自分が運転しているこの車のせいだということに気づきました。
仕事が憂うつになるにつれて、車への恨みが募りました。車のせいで移動の自由がなくなったのです。子ども時代の自由の象徴が、今や自由の抑圧者そのものになったのだから、皮肉なものです。でも選んだのは私です。
何年も続いた借金の返済……“教訓”
最終的にエンジニアの仕事を辞めたとき、私にはふたつの選択肢がありました。
1.うつ病が自然に治まるのを待ち、自殺したり心臓発作を起こしたりしないことを祈る。
2.車を任意売却して、信用が地に落ちるのを甘んじて受け入れる。
私は後者を選びました。
逆説的ですが、その後何年も続いた借金の返済体験を通して、真の自由とは何かを実感することができました。ここでいう自由とは、自分の時間とエネルギーの使い方を細かくコントロールできるという自由です。車のローンがあったため、私にはどうしても収入が必要でした。この問題に関しては、仕事や生活の中で実験する余地はありません。時間とエネルギーの使い方を車に操られました。車を手放したあともです。最悪! 衣食住の必需品のために働くことと、どうでもいいもののために働くことは違います。
さらに、その仕事が嫌いなものであれば、もっと悲惨です。私はものを所有したいですが、ものに所有されたくはありません。
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