「車を持つ」ということ
車を持つという大きな過ち(トラヴィス・デイグル アメリカ)
車にまつわるエピソードなら山ほどあります。プロムの夜のプレッシャー、自動車の都デトロイトの大学へのあこがれ、デトロイトでの就職など、常に車と車が与えてくれる自由に夢中でした。でも気をつけないと、車はほかのものも運んできます。
私と車とのロマンスは、つまるところ、大きな過ちに至る物語です。
結果とは、長い時間をかけて下した小さな決断の積み重ねです。だから毎日の一瞬一瞬を意識的に過ごさなければなりません。長い間にしみついた思考パターンは、いちばん大事な意思決定に影響します。
いい車にはいつもあこがれていましたが、お金や車のことはほとんどわかっていませんでした。わかっていたのは、いい車がほしいということだけ。現実には、新車であろうとポンコツであろうと、車は贅沢品です。手に入れて乗り回すにはお金がかかります。価値はだんだん下がっていくし、故障します。そう、故障です。故障するんです。修理にはお金がかかります!
これが、車を持つとはどういうことかについて、私が理解できていなかった大きな穴でした。ステータスシンボルしか目に入らず、マイナス面が見えていなかったのです。車を持つことについて、実用性でなく貧弱なイメージだけをふくらませていました。ずっとこんな重大な問題を抱えたままだったのですが、ついにその弱点があらわになりました。
「記録的なハリケーン」がもたらした苦難
2005年の大西洋沿岸におけるハリケーン・シーズンの激しさは記録的でした。ハリケーン・カトリーナの影響で多くの人がルイジアナ州からテキサス州に避難しましたが、それから3週間後、今度はハリケーン・リタによって、ヒューストンの人たちは全員が強制避難をさせられました。大勢の人が車でダラスに向かいました。渋滞した高速道路は、まるで駐車場のように車がまったく動きませんでした。
私は車でバーミンガムのある東の方に向かうことにしました。ハリケーンの上陸予想地も同じく東でしたが、上陸前にそのエリアを通過する時間は十分にあると見ていました。ほかの人たちはみんな反対方向を目指していたので、高速道路は空いているだろうと思ったのです。
走行中、私のアキュラのパワーステアリングの調子がおかしくなりました。
ハリケーンから逃げたい一心で、あえてそれに向かっている私たちにとって、これは明らかにうれしくない状況でした。「私たち」というのは、私の当時の親友、妹、そして3歳の甥もいっしょだったからです。今は亡き妹は、信じられないほど頑固になることがありました。
服を買うから絶対にウォルマートに寄りたい、と言いました(慌てて出発したため、あまり服を持ってきていなかったのです)。私は車の調子がおかしいし、ハリケーンから逃げてるんだから、バーミンガムに着いてからにしようと妹に言いました。
ハリケーンと今後の動き、車の不調、どう見ても完全に理不尽としか思えない妹との口論どもえという状況が三つ巴になって、私はいら立ちを募らせました。
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