今回は、投資のプロを目指す人が陥りやすい、情報収集にまつわる「罠」について見ていきます。※本連載は、「富のスペシャリスト」として知られる株式会社スガシタパートナーズの代表取締役・菅下清廣氏の著書、『一生お金に困らない「未来予測」の技術』(PHP研究所)の中から一部を抜粋し、投資で成功するために未来を予測する情報収集のノウハウを紹介していきます。

まずは、広く、浅く、ランダムに情報を集める

未来予測の力を身につけるには、社会現象を読む力を磨かなければなりません。誤解されると困るのですが、金融・経済の知識はもちろんあったほうがいいに決まっています。ただ、最も大事なのは社会現象の裏にある人間の心理を読むことです。それができてはじめて、未来を予測することができるようになるのです。

 

この方法については本書『一生お金に困らない「未来予測」の技術』第四章で詳しくご紹介しますが、社会現象や人間心理を読む力をつけるためには、情報の読み方、考え方を強化することが必要です。そのための「情報のレッスン」について、私の経験を簡単にお話ししましょう。

 

大和証券の難波支店に配属された私が、相場の世界で生き残り、トップセールスマンになることを決意したことは本連載の第1回目でお話ししました。

 

そのために、どのような行動をとればいいのか必死で考えます。気づいたのは、未来予測の力で秀でるための「情報のプロ」になるということでした。その日以来今日まで、私は役に立つ情報を見つける方法を突き詰めてきました。

 

そのファーストステップは、できるだけ広く浅くランダムに情報を集めることです。なぜランダムに集める必要があるのでしょうか。

金融・経済情報ばかりに触れていてはだめ

金融・経済の世界にいる人は、えてして金融経済の情報ばかりに触れようとします。そうすれば経済学者には近づくかもしれませんが、投資のプロにはなれません。

 

どのような情報にもヒントがある。

どのような情報にもチャンスが潜んでいる。

 

そうした「確信」を持っていることが重要です。ある一つの情報に触れたとき、最初の段階ではそれがいい情報なのか役に立たない情報なのか判断することはできません。だから、自分の能力の及ぶ限り、広く浅く情報網を張り巡らせ、手当たり次第に吸い上げていくというスタンスが重要になります。

 

こうお話しすると、多くの人が陥る「罠」があります。手当たり次第に吸い上げようとして、『週刊東洋経済』や『週刊ダイヤモンド』、『日本経済新聞』などを取り寄せ、それを隅から隅まで読もうとすることです。

 

それらの新聞や雑誌には、情報が満載されています。社会人としての最低限の知識として、知っておくべき情報が載っています。しかし、それを読んでいるだけでは、学校の教科書レベルの情報を得ることしかでしません。しかも、仕事のかたわらそれらをすべて読んでいては、それだけで時間がなくなってしまいます。

 

未来予測の力の「素」となる情報を身につけるには、自分の人生を豊かにし、お金持ちになるための情報は何かということを常に意識しながら、それに役立つであろう情報を自分で見つけ、選ばなければなりません。

一生お金に困らない「未来予測」の技術

一生お金に困らない「未来予測」の技術

菅下 清廣

PHP研究所

当然のことながら、明日何が起こるかを見通すことができれば、誰しも成功できる可能性は飛躍的に上がる。 本書では、「経済の千里眼」の異名をもつ国際金融コンサルタント・投資家の菅下氏に、先行き不透明な時代で先を読む奥…

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