デフレと金の関係
デフレ(デフレーション)とは、物価が継続的に下落する現象を指します。
デフレが進行すると、消費者や企業は物価が将来さらに下がると予想して、支出や投資を控えるようになります。このため、経済活動が停滞し、企業の収益や労働者の賃金が減少し、失業率が上昇するなど、経済全体が悪循環に陥るリスクが高まります。
デフレが金の価格に与える影響を考える際には、インフレ進行時の原則(価格上昇圧力)とは反対の考え方をすることができます。つまりデフレが進行すると金の価格の下落圧力が発生するのが原則です。
順番に考えてみましょう。デフレ環境下では、インフレ下と対照的に現金や現金同等物の価値が上昇します。なぜなら、物価が下がるなかで同じ金額の現金でより多くの商品やサービスを購入できるからです。このため、〝モノ〞としての側面を持つ金も相対的に価値を下げることとなり、結果的に金の価格に対して下落の圧力を与える場合が多いのです。
また、金は通常、インフレヘッジや不確実性の高い時期の「安全資産」としての役割を果たすことはすでにご理解のとおりかと思いますが、現金の実質価値が高まっているデフレ環境下においてはその魅力が相対的に低下します。
デフレが進行すると、金の保有は現金等の資産クラスに対して競争力を失います。これも結果として金の需要減少を招き、相対的に価格が下落する圧力となります。
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