信用格付け機関「トランプ次期米国大統領就任」に警報…フィリピン経済「成長鈍化」を懸念

12月2日週「最新・フィリピン」ニュース

信用格付け機関「トランプ次期米国大統領就任」に警報…フィリピン経済「成長鈍化」を懸念
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は米国次期大統領・ドナルド・トランプ氏の就任によるフィリピン経済への影響を中心に見ていきます。

【12/7(土)開催】
従来の分散投資で資産を守れるのか?新時代の富裕層が実践する
金融大国「シンガポール」や「フィリピン永住権」を活用した新・資産防衛法

1兆ドル経済を目指すフィリピン経済の動向

フィリピンは、2033年までに1兆ドル経済を実現するという野心的な目標を掲げています。これを達成するには、国内外の課題を乗り越えつつ、持続的な経済成長を確保し、戦略的な投資を進める必要があります。

 

世界銀行は、競争力のあるグローバル経済に適応するための能力を強化する投資が不可欠であると指摘し、年平均6%以上の成長率が求められるとしています。また、目標年数にこだわるよりも、持続可能な成長を追求することが重要だと強調しています。

 

2023年1~9月期のフィリピンの国内総生産(GDP)は5.8%増加しましたが、政府目標の6~7%には届いていません。成長を持続させるためには、投資環境の整備、気候変動への対策、外部リスクへの対応が必要とされます。特に、建設業や製造業などの生産性の高い分野で雇用を創出することが求められています。また、人的資本への投資や市場の競争力強化、デジタル化の推進が、1兆ドル経済への鍵となるとされています。

 

アジア開発銀行(ADB)は、フィリピン経済の成長見通しを「非常に有望」と評価していますが、主要経済圏の減速や地政学的緊張、サプライチェーンの混乱といったリスクも指摘しています。ADBは、2023年の成長率を6%、2025年を6.2%と予測しており、国内需要の強さやインフラ投資が成長を後押しすると見ています。ただし、世界的な投資パターンや貿易政策の変化が、投資家の信頼や消費者心理に影響を与える可能性も懸念されています。

 

政府は、財政の健全化を進めながら、優先分野への投資を増やす取り組みを強化しています。2025年には「上位中所得国」への昇格を目指し、財政赤字と債務を削減しつつ、長期的な経済成長を支える仕組みを構築しています。また、外国直接投資(FDI)の増加を目指して株式取引税の引き下げを検討するなど、資本市場の活性化に向けた改革も進めています。

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録