安定して働くことが難しいと思われがちだが…〈育児・介護従事者〉を企業が採用する「メリット」と「注意点」

安定して働くことが難しいと思われがちだが…〈育児・介護従事者〉を企業が採用する「メリット」と「注意点」

育児・介護で忙しい人たちは安定して働くことが難しい場合も多いため、就職を諦めている人も少なくありません。しかし、そういった人たちを採用することは、企業にとってメリットが大きい、と採用広告の制作ディレクターとして活躍する渡邉崇氏はいいます。渡邉氏の著書『不毛な人材獲得競争から脱却! 中小企業のための新しい採用戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より詳しくみていきましょう。

育児・介護中の人には業務の効率化で生産性アップ

育児・介護と家事を両立する人たちは、さまざまな作業を日々効率的にこなしているケースが少なくありません。

 

複数の作業を同時並行、あるいは短時間で切り替えながら同時進行するマルチタスクにたけているため、仕事でも効率的に作業を行うことができます。限られた時間で優れたコストパフォーマンスを発揮してくれる点は、育児・介護層を採用するメリットといえます。

採用する際の注意点①:多様な働き方を取り入れる

育児や介護をしながら働く層を採用するためのポイントは、働き方のバリエーションを増やすことです。前提として、育児や介護をしている人は毎日が多忙です。そのため、「1日3時間しか働けない」 「土日のどちらかしか働けない」という人もいます。また、仕事のために使える時間が不規則で、急に休まなければならなくなることもあります。

 

このような事情があるため、当人は就職が難しいと考えます。また、企業側も安定して働ける人を優先して採用しようと考えます。 また、この層の採用を考えることがきっかけになり、従来の働き方を見直し、多様な人が働きやすい企業に変わっていくことにもつながります。 そのための方法は3つあります。

 

1つ目は、パートとして採用する方法です。採用戦略として、比較的簡単な仕事を任せたい場合は、パートでの採用によって業務を穴埋めしたり従業員を補佐したりすることができます。 パート採用では、同一労働同一賃金の導入が重要です。

 

これは、企業内で働く正規雇用の従業員と非正規雇用の従業員が同じ仕事をした場合に、その対価として支払う給料などに差が生まれないようにすることを目的とする取り組みです。雇用形態による不平等が解消されれば、パートで働く人の納得度が高まり、応募者も増えやすくなります。

 

2つ目は、フレックスタイム制度や時短勤務制度などの導入です。これらの制度を活用することで、時間調整が難しい人でも正社員で働けるようになります。この層の人たちは、パートでしか採用されないと思っている人が多いため、正社員採用は大きなアピールポイントになります。

 

このような働き方の仕組みを積極的に取り入れることで、新たな応募者も獲得しやすくなり、既存の従業員が出産、育児、介護をするときの離職も抑えることができます。また、正社員採用はマネジメント層などへの昇進も見込めるため、育児や介護を終えたあとにキャリア形成することもできます。

 

3つ目は、リモートワークです。育児や介護は、家から離れられないことが最大のネックです。そのため、現場がある仕事や対面での接客などが前提の業種では難しいのですが、それ以外の仕事であれば、自宅で仕事ができるようにすることでこの層を採用できるようになります。

 

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本連載は、渡邉崇氏の著書『不毛な人材獲得競争から脱却! 中小企業のための新しい採用戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。

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