中小企業が陥りがちな「採用難」。大手企業と人材を取り合っても勝てない理由が3つある、と採用広告の制作ディレクターとして活躍する渡邉崇氏はいいます。渡邉氏の著書『不毛な人材獲得競争から脱却! 中小企業のための新しい採用戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)より、人材不足に陥る中小企業に共通するポイントとあわせて、詳しくみていきましょう。

採用に失敗する中小企業の共通点

これまでさまざまな企業の採用をサポートするなかで、採用難に陥る中小企業に共通点があることに気づきました。それは、大手企業が狙う「就職強者」を、大手企業と同じアプローチで獲得しようとしていることです。「就職強者」とは、次のような特徴を備えた人材です。

 

  • 新卒、第2新卒など30歳くらいまでの若い世代
  • 有名大学卒などの高学歴
  • コミュニケーション能力が高い
  • 周囲の人を巻き込む力がある
  • 打たれ強く、少々のことでは諦めない
  • 指示待ちの姿勢ではなく、自ら動ける

 

要は、私が中小企業の採用でおすすめする「就職弱者」とは対極に位置する人材です。誰もが欲しがる就職強者の獲得を、大手企業と中小企業が争っても勝負は目に見えています。

中小企業が大手企業と戦ってはいけない理由

中小企業が大手企業と戦って採用に苦戦する理由は、大きく「知名度」「条件面」「採用リソース」の3つに分けることができます。

 

①知名度

大手企業に比べ、中小企業が圧倒的に不利な点は知名度の低さです。求人サイトや人材紹介会社には、多くの企業が求人を掲載しています。

 

求職者からすると、テレビやインターネットなどのメディア広告、大規模な就職イベントなど、いろんな媒体に名前が出ている大手企業は、やはり認知度が非常に高いのです。 一方、中小企業はそういった媒体に広告を出す余裕がないケースがほとんどでしょう。

 

次ページこんなに違う、大手企業と中小企業の「年収の差」

本連載は、渡邉崇氏の著書『不毛な人材獲得競争から脱却! 中小企業のための新しい採用戦略』(幻冬舎)から抜粋したものです。

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