知名度だけではない、中小企業が大手企業に勝てない理由
②条件面
・給与
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」で、企業規模別の月収を比較すると、大手企業は約35万円、中小企業は28~30万円となっています。大手企業と中小企業では1ヵ月で約5~7万円、年収で約60~84万円の差があることになります。
賞与が加わると、この差はさらに広がります。これだけ差があれば、大手企業に目がいくのは当然といえます。
・福利厚生などの待遇
大手企業は年間休日数や家賃補助、社宅の完備、育児支援など手厚い待遇が用意されています。しかし中小企業はそういった制度を設ける余裕がないところもあります。
厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査」によると、労働者1人あたりの平均年間休日数は、1,000人規模の企業で119.1日、300~999人規模の企業で116.8日、100~299人規模の企業で113.0日、30~99人規模の企業で110.0日となっています。1,000人規模と100人未満の企業を比較すると、9日と大きな差があることが分かります。
・教育・研修
大手企業は教育に割くリソースがあり、入社後に手厚い研修が実施されるケースがほとんどです。しかし、人員にあまり余裕のない中小企業では体系的な研修が少なく、外部研修の受講か、先輩のやり方を見よう見まねで学ぶこともあります。
③採用リソース
大手企業と中小企業では、採用活動にかけられる予算や人的なリソースにも大きな差があります。採用にかかる費用としては、リクルートなど採用媒体の利用料、人件費などのコストも含まれます。
中小企業では大手企業ほど採用に費用をかけることは難しく、専任の採用担当者がいないことも珍しくありません。 株式会社マイナビの調査(中途採用状況調査2024年版)によると、1年間でかかった採用予算の平均は1,001人以上の企業では1,638万円ですが、3~50人の企業では109万円と、約15倍の差があります。
これらの理由から、中小企業は大手企業と同じ就職強者を狙っても、失敗に終わることが多いのが分かります。
渡邉崇
株式会社トランスヒューマン代表取締役
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