モバイル決済アプリの新機能で「個人投資家の市場参入」の促進を狙う「フィリピン政府の目論見」

11月25日週「最新・フィリピン」ニュース

モバイル決済アプリの新機能で「個人投資家の市場参入」の促進を狙う「フィリピン政府の目論見」
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は重要インフラである通信と電力の最新のトピックを解説していきます。

比・最大電力会社、FC契約25年間延長へ

フィリピン最大の電力配電会社であるマニラ電力会社(Meralco)のフランチャイズ契約をさらに25年間延長するための法案が、上院に提出されました。この法案は、同社がメトロマニラ、ブラカン、カビテ、ラグナ、バタンガス、リサールといった地域での電力配電事業を継続できるようにするものです。下院でも同様の法案がすでに可決されており、契約期限の前倒し延長が可能となる内容が含まれています。

 

この法案により、Meralcoが低コストかつ公正な料金で電力サービスを提供する義務を負うことになります。また、不公正な取引や独占的な活動など、市場の競争を妨げる行為を禁止する条項も含まれています。そして、Meralcoの電力配電に関する料金はエネルギー規制委員会(ERC)の承認を必要とします。このような規定を通じて、消費者が合理的で公正な電力料金を享受できることが目指されています。

 

Meralcoは39都市と72の自治体で電力を供給しており、約775万人の住民や事業所を支えています。同社は2022年に104.3億ペソの税金を政府に納付し、約2.75億ペソを地域社会への投資に費やしました。このような背景を踏まえ、法案では同社の持続的な運営と地域社会への貢献が期待されています。

 

また、ERCは最近、配電料金設定規則の改定案を公表しました。この改定案は、Meralcoの第5次規制期間(2025~2028年)の料金設定を対象としており、過去の未設定期間(2022~2024年)も含む内容です。Meralco側はこの改定案についての検討時間が不足していると述べ、コメント提出期限の延長を求めています。ERCは、配電会社が料金を設定する際に予測される経費やプロジェクトを審査し、料金を調整する義務を負っています。

 

今回の法案提出により、Meralcoのフランチャイズ契約は長期的な電力供給の安定性を維持すると同時に、規制当局からの監視も強化される見通しです。この取り組みは、フィリピンにおけるエネルギー政策の透明性と消費者利益を確保することを目的としており、Meralcoの市場支配力が公正な競争を妨げることがないよう注意が払われています。

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録