国の報告書に記された「不足分 3万7,916円」
総務省『家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支』には、二人以上の世帯および単身世帯の家計収支の状況について詳細が記されています。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)について見ていくと、1ヵ月あたり実収入は24万4,580円、消費支出は25万959円、非消費支出(税金や社会保険料など)は3万1,538円となっています。実収入の89.3%(21万8,441円)は社会保障給付。表の右側に目を向けると「不足分 3万7,916円」と記されています。収入を支出が上回るという結果です[図表1]。
しかし3年前の同調査を見ると「実収入は25万6,660円、消費支出は22万4,390円、非消費支出は3万1,160円」で、「黒字 1,111円」とギリギリ収入が上回る結果となっていました[図表2]。
3年で大幅に赤字へ転換した夫婦高齢者無職世帯の生活。65歳以下の世代も、「不足分」が生じることを念頭に、老後へ向けた資産形成は必須といえそうです。
厚生労働省が運営する『いっしょに検証!公的年金 〜財政検証結果から読み解く年金の将来〜』では、「おおよその年金額を知りたいときはどうしたらいいんだ?」という質問に対して、次のような金額が例としてあげられていました。
“厚生年金に40年間加入して、その期間の平均収入(月額換算した賞与含む)が月43.9万円の場合、受給額は月額約9.0万円の老齢厚生年金と、月額約6.5万円の老齢基礎年金を合計した約15.6万円(令和2年度)になります。”