夫急逝…悲しみに暮れるなか、年金機構から「目を疑う通知」
長年、夫と共働きで家計を支えてきたAさん(仮名/77歳・女性)。年金を受給するようになってからは、夫が月額16万円、Aさんは月額10万円を受け取っていました。合計26万円の年金収入に加え、現役時代からの貯蓄もあったため、二人は比較的安定した老後生活を送っていたといいます。
「住宅ローンも完済しており、生活にはそれなりに余裕がありました。贅沢をすることはなく、それでも趣味を楽しみながら穏やかに暮らしていたと思います」とAさん。
しかし、そんな穏やかな日々は突然終わりを迎えます。夫が80歳を迎えてすぐ体調の異変を感じ、病院で検査を受けたところ、思いがけない病気が見つかったのです。
「毎年健康診断は受けていましたが、見過ごされていたのか、あるいはその後に悪くなったんでしょうか。とにかく、病気の進行は想像以上に早かったんです。あっという間に症状が悪化していきました。あれこれ手を尽くす間もなく、夫は短期間で亡くなってしまいました……」
夫を亡くし悲しみに暮れるAさんでしたが、悲しんでばかりもいられませんでした。これからは自分ひとりで生活を維持していかなければなりません。生活費の大部分を占めていたのは夫の年金であり、その収入が失われれば、家計に打撃を与えるだろうと思われました。
「とはいえ、夫に先立たれた友人から、遺族年金について話を聞いていました。夫が受給していた厚生年金部分のうち、3/4を受け取れるとのことで。月額7.5万円ほど受け取っていると聞いていたので、それくらい貰えるものだと思っていました」
しかし年金機構からやってきた通知を見たAさんは、「なにかの間違いでは?」と思わず二度見したと語ります。通知には、予想していた金額よりもはるかに少ない数字が記されていました。
Aさんが元々受け取っていた月額10万円に加え、遺族年金は月額3.5万円しか増えていなかったのです。