(※写真はイメージです/PIXTA)

共働きで長年働き続けたAさん。77歳で夫を亡くし、遺族年金を頼りに老後の生活を見据えていました。しかしその支給額は想像より大幅に少なく、愕然とすることに…。本記事では事例とともに、遺族年金の仕組みについてみていきます。

友人の遺族年金「月額7.5万円」と4万円の差のワケ

友人が受け取っていると言っていた「月額7.5万円」とは4万円の差。その理由は、Aさんが現役時代に働いていたことにありました。

 

遺族年金は、専業主婦であった場合と共働きであった場合で受給額が異なることがあります。友人は専業主婦であったため、「夫が受給していた厚生年金部分のうち3/4」にあたる「月額7.5万円」をそのまま受け取れていました。

 

一方、老齢厚生年金と遺族厚生年金を併せて受け取る際、遺族厚生年金のうち、Aさん自身の老齢厚生年金部分に相当する額が支給停止となります。遺族厚生年金7万5,000円のうち、Aさんの厚生年金部分である4万円が停止され、残る差額の3.5万円だけが実際の遺族年金として支給されることになります。

 

Aさん自身の厚生年金10万円+遺族年金3.5万円で、13.5万円。一方、専業主婦だった友人の国民年金約6万円+遺族年金7.5万円も、約13.5万円。「正直、私は落差が大きいですよね。自分の厚生年金を受け取っているとはいえ、それで貰えるものが少なくなるって……。ちょっと損したような気がしてしまいます」とAさんは語りました。

 

共働きで収入があった女性が遺族年金を受け取る際、専業主婦と同じ条件でないことに戸惑うケースは少なくありません。

 

また遺族基礎年金を受け取る場合、受給者の年収に一定の上限があります。この上限を超えた場合、支給が一部または全部停止されることがあります。具体的な上限額は毎年見直されますが、年収850万円以上の場合は停止される可能性が高くなります。

 

頑張って働いてきたのに、なんだか損しているのでは……。日本の年金受給者がそう肩を落とすのは、決して珍しい光景ではありません。日本の年金制度は複雑で、受給額に関する誤解や期待とのギャップが生じやすいのが現状です。

 

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