パートで週30時間、月収18万円の2児のシングルマザー
厚生労働省『令和6年度被保護者調査』の最新7月の結果によると、生活保護を受けているのは201万3,327人、165万4,044世帯でした。7月の申請件数は2万5,235件で、前年同月比11.5%増、保護開始世帯数は2万1,164世帯で前年比11.8%増。一方で保護廃止世帯は1万9,711世帯で前年比16.4%増。昨年から比べると、新たに生活保護を受ける人も、生活保護から抜ける人も増えているという状況です。
さらに世帯の種類別にみていくと、生活保護世帯で最も多いのが「高齢者世帯」で90万9,721世帯。「母子世帯」が6万2,402世帯と続きます。
清水亜子さん(仮名・32歳)5歳と4歳の2児を育てるシングルマザーです。2年前に離婚しましたが、夫からは養育費をもらっていません。
――離婚理由は、元旦那のギャンブル。働いていたものの、もともとあまり家にお金を入れる人ではなく、離婚直前には1円も入れなくなっていました。病気ですね
状況が状況だけに、養育費の話がまとまったところで、そのうちもらえなくなるのが目に見えている。養育費頼りにするとかえって生活に困ることになるから、それなら最初からゼロのほうが都合がいい、そう考えて養育費の取り決めは行わなかったそう。しかし、幼子を抱えながらの生活は想像以上に苦しいといいます。
――ふたりを保育園に預けたあと、平日10~16時でパートで働いています。週に30時間ほど働き、月収は18万円前後、手取りにすると15万円ほどです。
家賃6万円のアパートで、家族3人暮らし。生活保護を受けながら暮らしています。
憲法が定める健康で文化的な最低限度の生活を保障する生活保護。保護を受けようとする人は「利用しうる資産、能力、その他あらゆるものを最低限度の生活の維持のために活用すること」が求められています。これは「売却できる資産や貯金がなく、また働いて収入を得ても最低限度の生活を維持できない場合に利用できますよ」ということです。
生活保護には生活費に充てるための生活扶助、家賃に充てるための住宅扶助のほか、医療費全般に充てる医療扶助、出産費にあたる出産扶助など、8つの扶助があります。さらに障害者加算や妊産婦加算、児童養育加算など、9つの加算もあります。
清水さんが住む東京郊外の町では、生活扶助基準額が14万4,800円、住宅扶助基準額が6万9,800円。さらに清水さんの場合、母子加算が2万3,600円、児童養育加算が2万0,380円も加わり、生活保護費は合計25万8,580円となります。そこから収入を差し引いた、月10万円程度を受け取っています。