数字はビジネス界の世界共通言語
大学受験などでは、よく「文系」「理系」という言葉が聞かれますが、この本を読んでいる方は、圧倒的に文系の人が多いのではないでしょうか。なぜなら文系の大学、学部を卒業した人たちの進路としてビジネスパーソン、理系の大学、学部を卒業した人たちの進路としてエンジニアが一般的だからです。
高校時代の進路で、文系・理系に分かれる時、数学や物理が苦手だから、歴史などの暗記物が得意だから、という理由で文系の経済学部や商学部、法学部などに進学し、そこを卒業したというビジネスパーソンは、とても多いです。
そのため、ビジネスパーソンは数学が苦手という人が多いのですが、ビジネスパーソンこそ、数字や数学に強くなることが大切です。
ビジネスの世界は数字で成り立っています。数字は世界共通です。業界・業種の違いを超えて、あらゆるビジネスで使われている共通言語です。数字が苦手という時点で、ビジネスの世界で勝つことはできません。
文系ビジネスパーソンは、MBAの資格を持っていたり、高い英語力よりも数字が読めるほうが、圧倒的に仕事に役立ちます。
数字を知ることで、客観的判断ができる
例えば、昔からある詐欺の手法で、ポンジスキームというものがあります。
これは、1910年代から1920年代にアメリカで活動したビジネスパーソンであり詐欺師でもあったチャールズ・ポンジという人が編み出した詐欺手法で、驚くべきことに、日本では、いまだにこの詐欺が横行しています。ビジネスパーソンはもちろん、芸能人や有名人でも、かなりの人がだまされています。
詐欺師からは、まず、高配当の投資案件を持ちかけられます。例えば、100万円を最初に一括で出資をすると、3年後に元金が戻ってくるまで、毎月10%の配当金がもらえると説明されます。つまり、1カ月10万円ですから、1年で120万円の配当金がもらえるというわけです。
3年間で360万円の配当金と、出資金の100万円が戻ってくるので、100万円が460万円になるという計算です。ポンジスキームは、大体200万円からということが多く、200万円を一括で預けると、毎月配当金が20万円もらえます。
そして、この詐欺の巧妙なところは、最初の数カ月は、きちんと配当金が支払われるというところです。1カ月目で20万円の配当金が支払われ、2カ月目も20万円が支払われます。そうすると、だまされる人はすっかりこの詐欺師を信用してしまい、さらに300万円、500万円と出資金を出してしまいます。
しかし、その300万円、500万円の配当金を1〜2回払ったところで、相手は消えてしまいます。つまり連絡が取れなくなって、初めて詐欺だと気が付くのです。
しかし、世界最高の投資家のウォーレン・バフェットでも年22%の利益しか得られないと言われています。つまり、それ以上においしい話というのは、基本的にウソなのです。
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