(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、くにうみAI証券『厳選コラム・ニュース』より抜粋・再編集したものです。

米国で高額な訴訟費用がかかるワケ

米国などで驚くほど高額な賠償が加害企業に命じられることがあるのは、懲罰的損害賠償の制度を採用しているためだ。

 

日本でも有名な米国の懲罰的損害賠償の裁判例としてマクドナルド事件がある。

 

1992年にマクドナルドのドライブスルーで熱々のコーヒーを買い、車のなかで膝の上にカップを載せて飲もうとしたら、こぼしてしまい、火傷で皮膚移植手術の入院と2年間の通院をしたという事件だ。

 

裁判では、マクドナルドは填補賠償額16万ドル、懲罰的損害賠償額としてコーヒー売上高2日間分に相当する270万ドルの支払いを命じられる評決が下された。被害者側の窮状と加害者側大企業の不誠実な態度、莫大な収益が陪審員から批判・問題視され、当時の為替レートで約3億円に上る高額な賠償となった。

 

また近年では英国で、競争法違反などの理由でフェイスブック(メタ)に対して数十億ドルの集団訴訟が起こされている。欧州連合(EU)でも同様の動きが強まっている。

 

こうした流れのなかで、競争法の専門家は、訴訟ファンドを活用しているという。

 

問題は、訴訟ファンドのバックに誰がいるかということだ。フェイスブックを訴える訴訟の場合、ファンドの後ろにアップルやグーグルなど競合他社がいたらどうなるのか? 企業秘密を開示させるため、舞台裏でファンドが原告をけしかけるという状況を生む可能性もあるだろう。

 

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参考文献:
・企業分野における訴訟ファンド | SOMPOインスティチュート・プラス (sompo-ri.co.jp)
・日本初の「訴訟ファンド」、グリー系などから資金調達 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
マクドナルド・コーヒー事件 - Wikipedia
・「訴訟ファンド」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説! | 「言葉の手帳」様々なジャンルの言葉や用語の意味や使い方、類義語や例文まで徹底解説します。 (tutitatu.com)
・「訴訟ファンド」は正義の救済か、大金を賭けるルーレットか? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
・ヘッジファンドが狙う新手の有望ビジネス-訴訟ファイナンス - Bloomberg
・メタ、EU競争法違反の疑い-「クラシファイド広告」ひも付け問題視 - Bloomberg
・巨大IT規制法が英国で成立、メタやグーグルなど指定へ…制裁金は売上高の最大10% (msn.com)
・英国でMeta集団訴訟、競争法違反で約3520億円求める | TechCrunch Japan Archive
・訴訟に投資するファンドなんてあるんだ? - 半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups (odr-room.net)
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