(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資における修繕リスク。新築でも中古でも、一定年数が経過すると、将来的な資産価値を維持していくためにも、修繕の必要が出てきます。そこで今回は、現役不動産投資家である不動産鑑定士兼税理士の沖田豊明氏が自身の賃貸経営の実例とともに不動産投資における修繕状況確認の重要性について解説します。

修繕状況の事前確認の重要性

中古不動産投資を行う際、物件視察をすれば表面上の瑕疵は見つけられたとしても、今回のような内部の経年劣化を見た目から判断することは当然不可能でしょう。

 

ではどうすればいいか。これはやはり、築年数が経過してきたら、壊れる前に取り替えていくしかありません。しかし、マンションの鉄筋や鉄骨、RC造の場合、給排水管はコンクリートに埋まっています。これをひとつひとつ剥がしていかなければなりません。

 

筆者の所有していたマンションの場合、築27年で13年ほど大規模修繕を行っていなかったため、2・3年以内には大規模修繕の必要がありました。全部の給排水管を順に修繕していった場合や外壁の補修を行った場合の見積もりを管理会社に出してもらいました。なんとその額は2,500万円。膨大な費用にめまいがしてきました。

 

中古物件を購入する際は、必ず修繕状況の事前確認をしましょう。直近で修繕が行われているか、行われていないとしたらいつ、どのくらいの修繕費用がかかるのか。中古物件の賃貸経営では、修繕費用のコストを踏まえた資金計画が大前提です。

中古物件の修繕リスク

購入前は高利回りを謳う家賃収入ばかりに目を奪われがちです。

 

しかし、当然リスクも存在します。中古物件の最大のリスクは修繕コストです。「割安な物件だと思って購入し、蓋を開けてみたら、中身はボロボロ。直すのに何百万円もかかってしまった」といったことになると、キャッシュフローを健全に保つことは難しいでしょう。特に、昭和56年5月よりも前に建築確認を取得している旧耐震物件やRC造の物件は劣化の可能性・修繕費用のリスクが大きくなるため、要注意です。

 

今回のような配管関係、そのほかにも屋上防水や外壁塗装、エレベーター、耐震関係などの修繕費用は高額になりやすいです。今回紹介した物件ではありませんが、エレベーターの修繕は見積もりをしたことがあります。エレベーターの寿命は約30年といわれているなか、筆者の所有物件に設置されていたエレベーターは26年が経過していました。そこでの見積もりは1,000万円といわれ、絶望したのを記憶しています。

 

過去の修繕履歴を事前確認し、キャッシュフローを正しく管理することを強くお勧めします。

 

 

監修: 沖田 豊明(沖田不動産鑑定士・税理士事務所)

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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