少ない年金でやりくりするしかない?…長い老後に備えるため知っておきたい「年金を増やす方法」【FPが解説】

少ない年金でやりくりするしかない?…長い老後に備えるため知っておきたい「年金を増やす方法」【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「個人事業主で年金が少ない」「年金から税金は引かれるの?」「年金の受給時期は変えられる?」…年金について、こうした悩みや疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。本記事では、ファイナンシャルプランナー三原由紀氏による著書『定年後に後悔しないお金の大正解100』(永岡書店)から一部を抜粋・再編集し、年金を増やせる制度や税金、受給時期の変更などについてQ&A形式で解説します。

Q. 年金収入から税金って引かれるの?

A. 所得税や住民税が引かれます

 

年金収入は、障害年金や遺族年金を除き※雑所得として、所得税と住民税の課税対象になります。また、税金以外にも社会保険料(健康保険料や介護保険料)がかかります。これらの金額が差し引かれたうえで口座に振り込まれるため、手取りの金額はおおむね額面の85~90%です。

※雑所得とは、公的年金や副業などによる収入のこと。

 

なお、年金額が年158万円未満(65歳以上の場合)であれば、所得税はかかりません。それらの額を超える場合でも、配偶者などを扶養している人は、事前に控除を申請することで年金から所得税は引かれません。

 

■年金から住民税が引かれるには条件がある

年金額が年18万円以上あり、課税年度の4月1日時点で65歳以上の人は、原則として住民税が天引きされます。なお、このように年金から天引きされることを、所得税では「源泉徴収」、住民税・社会保険料では「特別徴収」といいます。


 

Q. 60歳で退職したら、すぐ年金をもらえるの?

A. 繰上げ受給で早くもらえますが、受給額は減ります

 

国民年金と厚生年金は、原則として65歳から給付されますが、60歳から65歳になるまでの間に早めて受け取ることも可能です。これを年金の「繰上げ受給」といいます。

 

繰上げ受給をするためには、原則として国民年金と厚生年金、両方の手続きを同時に行う必要があります。ただし、厚生年金のうち、特別支給部分に関しては後述する減額の計算方法も少し異なります。

 

■繰上げ受給のデメリットを知っておこう

繰上げ受給をすると、受け取れる年金の受給額が減ってしまいます(1ヵ月早めるごとに0.4%減)。また、1度繰上げ受給を選択すると、生涯、年金が減額された状態で受給し続けることになります。年金は老後の大事な収入源ですから、基本的に繰上げ受給はおすすめしません。

 

加えて、繰上げ受給をすると障害年金の受け取りや国民年金の任意加入などもできなくなってしまうため、老後生活を長期的なスパンで考えながら、慎重に検討する必要があります。

 

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※本連載は三原由紀氏の著書『定年後に後悔しないお金の大正解100』(永岡書店)の中から一部を抜粋し、将来のお金の悩みを解決します。

定年後に後悔しないお金の大正解100

定年後に後悔しないお金の大正解100

三原 由紀

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