できれば生前に「訃報の連絡先リスト」を準備
■まず訃報を知らせなければ
大切な身内の方の臨終という事態に接したら、とても悲しくつらいものですが、心をしっかり冷静に保ち、やるべきことを果たさなければなりません。それが、残された者の義務でもあります。
1.すぐ知らせるべき相手がわかりますか
医師から臨終と告げられたら、至急親族や親しい友人の方々へ連絡します。そのお知らせは、あまり遅くならないようにしなければなりません。親族であれば、遠方で相手が来られそうでなくても、知らせは入れるほうがよいと思います。ただし相手が病気の場合には、連絡するかしないかについて慎重に判断する必要があるでしょう。
2.連絡先のリストは、できれば生前に準備したい
臨終が迫ってきたら、本人の三親等内の親族などを目安に、また特に親しい友人などを中心に、連絡先のリストを作っておくとよいでしょう。
できれば生前に、万一に備えて、故人みずからお知らせすべき連絡先のリスト等を用意してあれば、それがベストです。それが望めない場合は、故人あてに届いている年賀状や住所録などを手がかりに連絡先を探すことになります。
死亡直後に、電話で連絡すべき相手はだれでしょうか。通夜・葬儀の前に、電話やFAX、電報、メール、SNS等で連絡すべき方々はどなたでしょうか。そして葬儀後に連絡すべき相手は誰か、などに分けてリストをつくり、お知らせしましょう。
3.三親等とは
一親等 父 母子供
二親等 祖父母 孫 兄弟姉妹
三親等 曾祖父母 伯父(叔父) 伯母(叔母) 甥姪
訃報には「社会的に死亡を知らせる」という目的も
■どのように連絡しますか
1.亡くなった直後に連絡する相手には
臨終に間に合わなかった親族、故人が会いたがっていた友人等へ、死亡の第一報を知らせます。訃報の連絡をするときは、メモを手元に置いて、基本的に次の5点を伝えましょう。
○亡くなった人の名前
○亡くなった日時
○死因(簡単に)
○お葬式の日時・場所 決まっていない場合は、改めて連絡する旨
○自分(もしくは他の責任者)の連絡先
大切な方が亡くなった事実に直面し、自分が想像以上に動揺している場合もあるものです。むやみに急ぐ必要はありません。あわただしく早口になってはいけません。気を落ち着けてしっかり連絡するようにしましょう。
2.葬儀後に知らせる挨拶のしかた
訃報を知らせる範囲は「誰に」「どこまで」という正解がありません。故人の希望が残されていれば、それに従うことが優先となりますが、遺族の判断で連絡範囲を決定したとしても、間違いではありません。その反面、訃報には「社会的に死亡を知らせる」という目的もあります。特に仕事関係で交際範囲が広い場合は、できるだけ漏れがないように心がけることが肝要です。
事後報告というのも選択肢のひとつだと思いますが、お互いに連絡先を知っている場合は、できるだけ連絡を差し上げてはいかがでしょうか。本人の希望があったり、いろいろな事情から、葬儀を小規模に「家族葬」で行いたい場合もあるかもしれません。そのような場合は、「葬儀は故人の遺志により、家族だけで執り行いました」という言葉を添えてお知らせするようにしましょう。
■一人で悩むより相談相手
1.友人や親戚に経験豊かな人はいないか
喪主は通常、故人の配偶者またはその子供(主に長男)が務めますが、配偶者や子供がいない場合は、親が務めます。喪主は、遺族の代表者として弔問客への応対に当たることが多く、こまごまと動くことができないので、実際の進め方の相談に乗ってくれたり、担当してくれる世話役を、友人・親戚から選んでおけるといいですね。
2.プロに相談することも考える
葬儀のプロといえば、「葬祭ディレクター」と呼ばれている方々です。葬儀社に所属していて、通夜・葬儀についての必要な知識と技能を持っています。一般の人は、葬儀について不慣れなことも多く、誰に相談すればいいのか分からない場合も少なくありません。そんなとき不安なことは、葬祭ディレクターに相談するのがおすすめです。