長いデフレの後遺症…「品質よりも安さ」を優先することが、より一層「お金との縁」を遠ざけてしまうワケ

長いデフレの後遺症…「品質よりも安さ」を優先することが、より一層「お金との縁」を遠ざけてしまうワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

急速に円安が進む中、日本は「安い国」という認識が諸外国の人たちの間で定着しつつあります。本記事では、15万人に「お金の最適解」を教えてきた三凛さとし氏の著書『金のなる本 誰でも再現できる一生お金に困らない方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集して、日本経済の実情と日本人が見直すべき価値観について解説します。

安さを優先することでお金との縁が薄くなる

日本はかつてアメリカに次ぐ世界第2位のGDPを誇っていましたが、このように近年では世界経済における存在感が弱まりつつあります。この状況は、日本経済が直面している課題の深刻さを浮き彫りにしています。

 

世界のGDPに占める日本の割合の推移も見てみましょう。1980年に9.8%だったものが、1995年には17.6%まで高まった後、2010年には8.5%とほぼ30年前の位置づけに戻っています。

 

日本は平成時代の約30年間、「デフレスパイラル」と呼ばれる状態でした。モノの価格が上がらないどころか下がっていくという経験を、30年間し続けたわけです。そのせいで、「安ければいい」という発想になりやすい傾向があります。

 

特に「お金がない」と思っている人は、現実的な問題としてモノの価格は安いほうが助かるので、品質よりも「安さ」を優先するようになります。実はその発想こそが、よりいっそうお金との縁が遠くなる要因になっているのです。

 

モノやサービスには「適正な価格」というものがあります。それにはあなたの労働も含まれます。安いモノやサービスを求め続けるということは、あなた自身が安く買いたたかれるのをよしとすることにほかなりません。

 

日本国全体で「安ければいい」という価値観を、少しずつ手放していく必要があります。

 

 

三凛 さとし

 

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