安さを優先することでお金との縁が薄くなる
日本はかつてアメリカに次ぐ世界第2位のGDPを誇っていましたが、このように近年では世界経済における存在感が弱まりつつあります。この状況は、日本経済が直面している課題の深刻さを浮き彫りにしています。
世界のGDPに占める日本の割合の推移も見てみましょう。1980年に9.8%だったものが、1995年には17.6%まで高まった後、2010年には8.5%とほぼ30年前の位置づけに戻っています。
日本は平成時代の約30年間、「デフレスパイラル」と呼ばれる状態でした。モノの価格が上がらないどころか下がっていくという経験を、30年間し続けたわけです。そのせいで、「安ければいい」という発想になりやすい傾向があります。
特に「お金がない」と思っている人は、現実的な問題としてモノの価格は安いほうが助かるので、品質よりも「安さ」を優先するようになります。実はその発想こそが、よりいっそうお金との縁が遠くなる要因になっているのです。
モノやサービスには「適正な価格」というものがあります。それにはあなたの労働も含まれます。安いモノやサービスを求め続けるということは、あなた自身が安く買いたたかれるのをよしとすることにほかなりません。
日本国全体で「安ければいい」という価値観を、少しずつ手放していく必要があります。
三凛 さとし
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