フィリピンへの「海外直接投資」、低金利を背景に増加…中央銀行の年度目標クリアに現実味

9月9日週「最新・フィリピン」ニュース

フィリピンへの「海外直接投資」、低金利を背景に増加…中央銀行の年度目標クリアに現実味
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今回は中央銀行の利下げに伴い、海外からフィリピンへの投資が増加している現状についてみていきます。

フィリピンへのホットマネー流入も増加

フィリピン中央銀行(BSP)の発表によると、7月にはフィリピンへのホットマネー(短期運用が軸の資本)流入が増加しました。これは政府の債券への投資が増えたことが主な要因です。

 

中央銀行に登録された外国投資の取引は、7月に13億8000万ドルの純流入となりました。これは前年の同月と比較して増加しており、6月の純流出から状況が一転しました。BSPのデータによると、7月の総流入額は、6月と比較して大幅に増加し、24億3000万ドルとなりました。前年同月と比較しても、54.3%の増加となっています。

 

投資の大部分(71.3%)は、フィリピンペソ建ての政府債券に振り向けられました。残りの部分は、フィリピン証券取引所に上場している企業、主に銀行、財閥、不動産、運輸サービス、食品・飲料・タバコなどの企業の株式に投資されました。7月の投資は主にイギリス、アメリカ、シンガポール、ルクセンブルク、ノルウェーからのもので、総流入額の93.7%を占めています。一方、外国からの投資の流出額は6月と比較してわずかに減少しましたが、前年同月と比較すると大幅に増加しました。アメリカが流出額の約半分です。

 

今年7ヵ月間の期間では、短期的な外国投資は14億6000万ドルの純流入となり、前年同期と比較して大幅に増加しました。7月の純流入額が増加したのは、先進国のマクロ経済指標が改善し、投資家の信頼感が高まったためと見られています。

 

BSPのリモロナ総裁も、第4四半期にさらに利下げを行う可能性を示唆。外国のポートフォリオ投資が年末までに31億ドルの純流入で終了すると見込んでいます。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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