G20、OECDが監視するのは超富裕層の租税回避、その超富裕層は世界にいったいどれだけいるの?

G20、OECDが監視するのは超富裕層の租税回避、その超富裕層は世界にいったいどれだけいるの?
(※写真はイメージです/PIXTA)

G20、OECDが超富裕層への取り締まりを強化しつつあります。その強化の中心は相続税とそれに関連する租税回避です。相続税がある国とない国があり、また相続税の課税方法は国によってバラバラであることから、超富裕層への課税をどうするかが、大きな課題となっています。本連載では、富裕層の相続問題の諸課題について解説します。

世界の富裕層はどうなっている?

では世界の富裕層について見ていきます。

 

世界各国のランキングとして100万ドル超を持つ富裕層は世界全体で5608万4,000人、国別のトップ9位は以下のとおりです。

 

[図表]100万超を持つ超富裕層国別ランキング(出典:クレディ・スイス「グローバル・ウェルス・レポート2021」)

上記の国のうち、相続税がない国は中国と豪州です。

 

カナダは財産の移動について、所得税を課しています。相続税のない中国から富裕層が国外に脱出しているという報道があります。上記の表にはありませんが、GDPでやがて中国を抜くと予想されているインドも相続税はありません。

 

香港やシンガポールのように、相続税を廃止して外国の富裕層を呼び込む政策をとる国もあります。

 

東京都心部のマンションの価格が上昇しているのは、中国人によるマンション投資が原因といわれています。一時期、パリやロンドンの高級住宅が産油国の超富裕層に買われているという報道がありました。

 

今後、中国、インドなどの超富裕層が国外に移住すれば、米国、日本、英国、カナダなどが移住先の候補になるものと思われます。

 

住宅周辺の治安、教育設備、インバウンド人口を受け入れる法整備などが、移住先を決める判断基準になると思われます。

 

税制面では、これら新興の超富裕層がどのような租税回避を行うのかということで、OECDなどの国際機関による、税務情報の交換の必要性がより重要になるものと思われます。

 

矢内一好

国際課税研究所首席研究員

 

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