前回は、「10の投資」ペーパー資産(非サイクル性)編②として、「プライベート・バンク」について解説しました。今回は、長期の運用に耐え得る「守りに強いポートフォリオ」とはどのようなものかを見ていきます。

景気の変動に依存しない資産の保有も重要

ここまで、筆者の推奨するポートフォリオの組み方と、ポートフォリオを構成する資産について詳しくご説明してきました。

 

実物資産とペーパー資産、ペーパー資産の中でもサイクル性資産と非サイクル性資産を組み合わせる――このような考え方は、一般的にあまり普及していないかもしれません。特に、実物資産と非サイクル性資産を持つという発想は、非常に重要であるにもかかわらず、ほとんどの人は今まであまり意識してこられなかったのではないでしょうか?

 

しかし、すでにお話ししてきたように、サイクル性ペーパー資産ばかりに資金を集中させておくのは、今後の世界経済を考えると、あまりに危険が多すぎます。やはり、景気の変動に依存しない非サイクル性資産(ヘッジファンドなど)、有事に強い現物不動産、貴金属、クラシック・コインなどを取り入れてこそ、最も守りに強いポートフォリオといえるのです。

 

資産運用とは、好むと好まざるとにかかわらず、長期的に続いていくものですが、こうしたポートフォリオを最初にしっかりと作っておけば、その後はそれほどいじる必要はありません。元々、長期の運用に耐え得るように作っているからです。

貴金属やクラシック・コインは「長く寝かせる」

ここからは、筆者が推奨する資産を購入した後、どのように付き合っていけばいいのかお話ししていきたいと思います。

 

まずは、貴金属とクラシック・コイン。これらについては、持ったら持ちっぱなしにしておいても、さしたる問題はありませんし、もし現金へのニーズがなければ、そのままずっと持ち続けてもらいたいと思います。自分の世代で現金化する機会がなければ、そのまま子どもの世代に引き継いでもよいでしょう。

 

貴金属やクラシック・コインは、財政破綻や金融危機などの「万一のとき」に備えて保有しているものです。そのため、多少価格が動いたからといって、売り買いすべきではありません。たとえ放っておいたとしても、価値がゼロになる恐れはないのですから、ずっと見張っている必要もありません。

 

特に、クラシック・コインは、多少の下落局面はあったとしても、長期的に見て値上がりが予想される資産です。多少値上がりしたとしても、長く寝かせて資産価値の増大を待つべきでしょう。

 

筆者自身も、クラシック・コインを保有していますが、売却の予定はまったくありません。楽しみながら収集しているせいもありますが、保有している間に少しずつ価値を育てていき、相続のときに、子どもに渡すことができればベストだと考えています。

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    本連載は、2013年12月19日刊行の書籍『日本が財政破綻しても資産を奪われない10の投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    日本が財政破綻しても 資産を奪われない10の投資

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    田中 徹郎

    幻冬舎メディアコンサルティング

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