高齢化社会で「働き続ける」の現実味
高齢化が進む日本社会。60歳定年はもう一昔前の話、現在では65歳定年制度を多くの企業が取り入れています。『サザエさん』の磯野波平が54歳ですから、「高齢者」と聞いて想像するイメージも、長寿化とともに大きく変わってきていることが分かります。
老後も安心して働ける社会づくりが国主導で進められる今、実際問題何歳まで働き続けるのか。自身の貯蓄状況、体力、気力と相談しつつ……ではありますが、そもそも雇ってもらえるのか?という、企業側との関係性が重要になるのも事実です。
そんななか、定年フリーの職種がひとつ。議員です。
■働き続ける議員の給与は
衆・参議員を見て、お年を召した方もなかなか多いな……と感じてきた方もいるでしょうか。日本の議員の定年については、明確な法律は存在しません。そのため、各党が独自にルールを定めています。
たとえば自民党は「73歳定年制」としているものの、厳守ではないことは想像に容易いでしょう。自民党青年局はたびたび幹事長ら党幹部に向けて、「73歳定年制」を堅持するよう要求しています。
ちなみに議員を除く国家公務員の定年は2021年時点で60歳、2年ごとに1歳ずつ引き上げられて、2031年度までに65歳となることが決定しています。
定年がないのなら、在任している議員の年金はどうなるのか? 日本年金機構によると、老齢厚生年金受給対象かつ現職議員の場合、議員報酬の月額および期末手当の額と年金の額に応じて、年金の一部または全額が支給停止となります。一方、老齢基礎年金(国民年金などのこと)は全額が支給されます。
では国会議員の報酬はいくらなのか? 『国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律』では下記のように記述されています。
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第一条 各議院の議長は二百十七万円を、副議長は百五十八万四千円を、議員は百二十九万四千円を、それぞれ歳費月額として受ける。
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歳費とは、いわゆるお給料のことです。議長217万円、副議長158万4,000円、議員129万4,000円となっています。新型コロナ感染拡大を受け歳費削減法が成立していた期間には、2割減となり、通常の国会議員は103万円ほどとなっていました。
そのほか、期末手当と呼ばれるボーナスが支給されます。年2回、「歳費月額及びその歳費月額に百分の四十五を超えない範囲内で両議院の議長が協議して定める割合を乗じて得た額の合計額」などの細かい取り決めはありますが、6月と12月に300万円ほど支給されています。そのほか、月100万円・非課税の「文書通信交通滞在費」、月65万円の「立法事務費」なども存在します。
■地方議員の給与は
地方議員の場合は、各自治体の条例によって報酬が定められているため、各地域の給与に差が生じます。都道府県議員、総定数2,587人の平均月給は82万7,407円※。国会議員の6割強の水準です。
※ 総務省『特別職の定数及び平均給料(報酬)月額』(令和4年)より