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投資でよく耳にする「リスク」という言葉。しかし、個人投資家の多くは、このリスクの本当の意味を理解していないのが現実です。香港で産業調査に従事し、英国でMBAを取得後、20年以上にわたり株式分析やファンド運用に携わる⾼⾐紗彩氏の著書『ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる!』(すばる舎)から、この見落とされがちなリスクについて抜粋・編集してお届けします。

「期待リターン」とは何か?

投資信託などで「期待リターン」と表示されているものは、すべて年間リターンの平均を指します。

 

たとえば20年間運用されている投資信託Aで、期待リターン7%という表示があるのであれば、20年という期間で、1年あたり平均して7%のリターンを確保した、という意味です。あくまでも「平均」なので、年によっては、プラス20%になった年もあったでしょうし、マイナス30%になった年もあったかもしれません。

 

過去に平均して7%リターンを上げられたのであれば、これからも年平均7%のリターンを上げられるだろう、と投資の世界では考えます。そのために、期待リターン7%という言い方をします。

リスクとは、“期待リターンからのブレ幅の平均”

では、投資におけるリスクとは、どのようなものでしょうか? リスクというと、一般的には、損失をこうむるリスクなどマイナスになることを指すと思います。しかし投資におけるリスクはそれとは異なり、期待リターンが取れるかどうかの「不確かさ」のことを指します。

 

「不確かさ」とは耳慣れない言葉だと思いますので、これも詳しく見ていきましょう。

 

先ほどの投資信託Aは、期待リターンが7%でした。年によっては、プラス32%になった年も、マイナス18%になった年もありました。このときそれぞれの年は、期待リターンより25%高かった(32−7=25%)、25%低かった(−18−7=−25%)という言い方をします。

 

別のある年には、期待リターンより20%高かった、またある年には10%低かった、としましょう。この4つの年の「期待リターンからブレた度合い(%)の平均」は、(25+25+20+10)/4で、20%になります。この20%をリスクと呼ぶのです。

 

このようにリスクとは、期待リターンから実際のリターンが外れた幅の平均(%表示)を指します。

 

 

⾼⾐ 紗彩

株式会社ミッション・ミッケ人生デザイン研究所 代表取締役 

 

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