(※写真はイメージです/PIXTA)

「人生の3大支出」といわれる「住宅費」「教育費」「老後生活費」。シニア世代となり、自宅のローンを無事に払い終え、子どもは独立。胸を撫で下ろしたのも束の間、想定以上に出費がかさむのが、現代シニアを待ち受ける老後生活です。昨今は物価が軒並み高止まりし、受け取れる年金は目減り傾向に。さらに人生100年時代を迎え、医療費・介護費の見通しは立ちづらい状況です。一方、豊かな資産をもって老後を迎えるうらやましい世帯も。たとえば元国家公務員――その年金、退職金は平均額よりも高いケースが多く、夫婦そろってともなれば、なおのことです。資金があると選択肢にあがることのある不動産投資ですが、知識が乏しいなか始めて大金を失うことも…。本記事では、波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナーである波多勇気氏が、不動産投資のリスクを「元国家公務員の70代夫婦」を例えにシミュレーションして解説します。

都内マンションの平均価格の推移

 

築5年以内:8,816万円
築10年以内:7,935万円
築20年以内:6,765万円
築30年以上:3,278万円

 

(参照:東日本不動産流通機構資料)


都内不動産価格は築年数を重ねるほど、下落幅が拡大していくことがわかります。これに伴い、当然ながら家賃相場も下落します。

 

次に大切なのは、不動産物件の防音や耐震について事前に確認しておくことです。日本の建築基準法では、マンションの防音性能について一定の基準が設けられています。床の遮音等級(L値)や壁の遮音等級(D値)など、施工の精度を可視化する仕組みがあります。基準をしっかりと満たしているかを確認しておきましょう。

 

耐震についても同様に、1~3までの等級にランク付けされています。数字が大きいほど耐震性能はが上がります。(1級と聞くと一見、等級が高そうに感じられますが、もっとも低い等級を表すため注意が必要です)

 

自分で行うのが難しければ、住宅診断士に依頼することもできます。費用はかかりますが、後のことを考えると必要経費といえます。

特定の修繕業者の指定は、公正な取引の確保ができていなければ違法と見なされるケースも

建設会社が特定の業者に修繕を依頼させる契約は往々にしてあります。ですが適正な価格や品質でなく、公正な取引の確保ができていなければ違法と見なされる場合もあります。

 

マツヲさんは割高な修繕費用の支払いを余儀なくされているため、この契約は無効にできる可能性があります(事例によって異なりますので、詳しくは法律の専門家にご相談ください)。

 


とはいえ、問題が起きてから争うより事前に対処することに注力すべきです。その方が金銭的にも労力的にもコストは低く済むでしょう。契約書をよく読み、修繕業者が指定されていたら、契約前にリサーチすることで最悪の事態を回避することが可能です。

 

たとえば同業他社に同じ修繕内容の見積もりを依頼して費用を比較する、ネットの口コミによる評判は悪くないか? 実績はどれくらいあるか? について調べることが有効です。

 

業者名+「トラブル」や「裁判」などのキーワードで検索すれば、過去のトラブル事例や裁判の履歴を見られる場合もあります。裁判所のwebサイトを活用するのもいいでしょう。マツヲさん夫妻を襲った悲劇は、こうした事前準備を入念に行うことで避けられたかもしれません。
 

 

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