すでに存命でないケースも多いが…親との交流頻度
まず、ミドル期シングルの人々が、親とどのような交流をしているのかをみてみましょう。
親の状態をみると、親の健康は40代までは父母共に良い状態にありますが、50代に入ると3割強の父母は健康が良くない状態にあります。50歳未満の人では、父親4人に1人が亡くなり、50歳以上の人では7割が亡くなっています。一方、母親に関してはそれぞれ1割、4割が亡くなっています。つまり、ミドル期後半まで母親が存命の人は少なくないのです。
ではシングルは親とどのくらい交流しているでしょうか。交流頻度をみると男性と女性とで大きな違いがあります。男性は年数回の交流が最も多いのに対して、女性は週1回以上、月数回が多くなっています。週1回以上の頻繁な交流をしているのは女性で、男性を大きく上回っています。
年齢でみると図表1の通り、女性の場合60〜64歳で最も交流が多く、週1回以上が半数を占めるのは、高齢に達した親を気遣っているからではないかと思われます。これらの人の中には親が遠方にいる場合もあることをみると、携帯電話やSNSによる交流が頻繁に行われているのではないかと思われます。それとは対照的に同年代の男性にはそのような傾向はみられません。
インタビュー調査から、親子関係がどのように維持されているのかをみてみましょう(新宿区新宿自治創造研究所[2014])。毎日電話している女性、誰かとつながる必要を自覚して親との関係を復活させた女性、未婚の息子を頼る孤独な母親の姿が浮かびます。
・宮城県の親とはほとんど毎日電話をしています。(47歳女性)
・母親とはあまり仲がよくなかったのですが、最近やっと話せるようになりました。仕事中心の生活で、母親と話すことは時間の無駄ぐらいに感じていましたが、自分ひとりでは生きていけない、大きな仕事をしようと思ったら、誰かとつながっていないと何もできないという思いをもつようになってから、いろいろ話すようになりました。(41歳女性)
・母親は寂しいようで、よく電話をかけてきます。毎日かけてくることもありますよ。姉や弟は結婚しているので、気兼ねしているみたいです。母親の電話に出なかったら怪しむでしょうし、母親は家も知っているので、何かあったら来ると思います。(43歳男性)
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