登記簿の名義人欄に自分の名前が印字されていますか?
不動産登記簿の名義人の名前を書き換えてしまう大胆な詐欺にも要注意です。契約書が英文で書いてあるため、きちんと読まないで被害に遭う日本人もいます。最悪の場合、詐欺師の名義になっていることに気づかずに、お金だけ払って詐欺師の物件を代わりに買う羽目になります。
そうならないために、契約書の流れをおさえておきましょう。まず、最初の書類はリザベーション・アグリーメントという予約申込書です。ここに、自分の名前を記入して、ディベロッパーに購入代金を支払う流れになります。
次に、コントラクト・トゥー・セールという通称CTSと呼ばれる書類が発行されます。日本語だと売買契約書に相当しますが、ディベロッパーにより時期が大きく変動しますが、目安として物件の予約金支払い時から1年前後に支払うタイミングで書くことになります。ここに、自分の名前が印字されています。
その後、ディード・オブ・アブソリュートセールという公式販売契約書を書くことになります。物件竣工時に、最後は、サーティフィケートオブターンオーバーという物件の竣工証明書が発行され、そのあと1年前後かけて登記簿謄本を取得していきます。
ここで注意するポイントは、購入して1年から2年経つのに、まったく契約書にサインを求められなかったら怪しいということです。プレセールで物件を購入し、分割支払いする最中に嫌と言うほど何枚もの契約書にサインする必要があります。そして、その際には必ず各書面に自分の名前が書かれているか、確認してください。
誰かから転売で購入した際にも、竣工前ならCTSは買った人の名前に変わっているはずです。英語が苦手な方でも、契約書の文章をGoogle翻訳にコピーして確認すれば、もし名前が違っていた場合は気づけるでしょう。
最近は随分減りましたが、詐欺師の恐ろしい点は、本当は物件代金を支払えない人に対して、最初から物件を奪い取る前提で販売しているケースがあることです。最初から詐欺師の名義になっている契約書に気づかずに、物件価格1,000万円のプレセール物件の分割金を支払い続ける日本人のお客様がいるとします。
もともとお金がなかったお客様は、最後の残金(仮に700万円)を支払う際に、当然支払えなくなるわけです。詐欺師はお客様の物件の転売先を探すふりをして、結局買い手は見つからないのです。そうしたら、日本人のお客様は物件を諦めるしかありません。
詐欺師としては、お客様が前金300万円を支払ってくれた分だけ得をします。つまり、契約書は最初から詐欺師の名前になっているので、何の問題もなく最後は自分で残金700万円を支払って自分の物件にしてしまうのです。
本当に恐ろしい事件ですが、頭金の分がまるまる利益として儲かるわけです。本当に恐ろしい詐欺の手口ですが、最初に契約書に自分の名前が書いてあることを確認すれば、起こりようがありません。くれぐれも、英文であっても自分の名前があることを必ずチェックしてくださいね。
町田建登
ライフシフト合同会社 代表
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