インフレリスクを軽減するための運用を
老後資金を全額銀行預金で持っている高齢者は少なくないようですが、預金はインフレで目減りするリスク資産なので、資金の一部をインフレに強い資産、具体的には株と外貨に振り向けておいたほうが安全かもしれません。
インフレになると企業の売り上げもコストも上がり、差額の利益も増えますから、株価は上がりやすくなります。インフレになると海外の物が安く感じられるので輸入が増え、輸入代金支払いのためのドル買いが増え、ドルの値段が上がりやすくなります。
株やドルは値下がりのリスクがありますが、預金には目減りのリスクがあります。一方で、3つをバランス良く持っておけば、「インフレで預金が目減りした。加えて株もドルも値下がりして酷い目に遭った」という可能性は小さいはずです。
「老後を豊かに暮らすために投資でガツガツ儲けよう」とするとリスクをとる必要があり、損して惨めな老後になる可能性もあるので、ガツガツするのではなくリスクを避けるために株や外貨を買うという消極的なスタンスです。
老後は貸家より「持ち家」
老後に借家に住んでいると、ずっと家賃を払い続ける必要があります。もしも長生きしている間にインフレが来てしまうと、生活費だけでも老後資金が枯渇しそうなのに、高騰した家賃を長期間払い続ける必要が出てくるわけです。
そうしたリスクを避けるためには、現役の間に老後の住み処を確保しておくことが「広義の保険」なのだと筆者は考えています。
本稿は以上ですが、投資判断等は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があります。
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塚崎 公義
経済評論家
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