フィリピン不動産に投資する場合、注意したいのが「銀行ローン」の利用。海外不動産投資に詳しい町田健登氏は、「銀行ローンは絶対に使ってはいけない」と断言しています。本記事では、町田氏の著書『フィリピン不動産投資術 ~月6万円から始められる年利8%のホテル投資のコツ~』(ビジネス教育出版社)より一部抜粋し、その理由を解説すると共に、購入方法として「一括」「均等」「少額頭金+分割払い」のどれがいいかをご紹介していきます。

一括払い、均等払い、少額頭金+分割払い、どれがお得?

 

一般的に、不動産物件を購入する場合、さまざまな支払い方法があります。主に、全額現金の一括購入、物件代金を定まった期間で毎月同額で分割払いする均等払い、少額の頭金を数年にわたり支払って竣工直前に残りの購入金額(70%前後)を支払う場合などがあります。では、どの購入方法がベストなのでしょうか?

 

ここでは、わかりやすく説明するために5年後に竣工する1,000万円のフィリピンホテルを購入するという例を用いて説明させていただきます。

 

まず、一括払いの現金購入のメリットは、物件価格が10%前後安くなることです。確かに割引は魅力なのですが、為替の問題を考えるとあまりおすすめはできません。なぜなら、為替の影響で将来的に円の価値が下がった場合、売却時に損することがあるからです。

 

フィリピンペソは日本円に対して為替が安定しているとはいえ、この10年間の間に、1ペソ=2.08円~2.81円程度の値動きをしています。目安としては、1ペソ=2.08円に近いほど円高ペソ安なので、為替差で得をする可能性もありますが、1ペソ=2.81円に近いと、物件を一括払いで購入後、円高ペソ安が進んだ場合、為替差により割引金額以上に損失を出す可能性があります。

 

さらなるデメリットは、1,000万円の現金を使うことで5年間、お金が寝てしまうことです。物件価格は5年間の間に上昇するかもしれませんが、一括払い後、物件が建つまでは、物理的に家賃収入が得られません。

 

家賃を生むものが資産、支払いが続くものは負債という定義に戻ると、一括払いは果たして資産と呼べるのでしょうか? この資金を寝かせる期間がもったいないと個人的には思います。お金を有効に使いたいなら他の支払い方法の方が得策だと個人的には思います。

 

次に、均等払いという支払い方法について説明します。5年後に竣工する1,000万円のホテルを均等払いする場合、5年間(60カ月)で不動産代金を割り、月額約16万6,000円×5年間(60回)の支払いをするのが均等払いです。

 

不動産によりますが、この支払方法を選択する場合、5%前後不動産価格が割引になるケースが多いです。十分な資産をお持ちであれば割引も効き、効果的な方法に見えますが、やはり物件が立つまで資金が寝てしまうのが惜しいところです。

 

最後は、少額頭金+分割払いです。物件によりこの支払方法は異なりますが、例えば5年後に竣工する1,000万円のホテルの場合、基本的なイメージとしては、物件代金の10%程度(1,000万円のホテルの場合、頭金100万円)を契約時に支払い、月5万円前後を毎月5年間(60カ月)支払います。

 

そして、5年後のホテル竣工時に、残りの600万円程度の支払いが発生します。私は、フィリピンホテルに関しては、この方法がベストだと考えています。そもそも、フィリピンのホテルの場合、竣工が遅延する場合が多いです。

 

多くの資金を前もって払ってしまうと、竣工が遅延した場合、何も収益を得ることなく、ひたすら待つことしかできません。一方、まとまった資金の支払いが後であればあるほど、竣工が遅延したとしても待っている間、そのお金を運用すること等も可能になります。

 

日本人には、一括払いがお得であり、分割払いやローンはもってのほかと考えている方も多くいますが、「キャッシュフロー」の回転率をいかに上げるか、ぜひここに注意を払いましょう。

 

 

町田建登
ライフシフト合同会社 代表

 

※本記事は『フィリピン不動産投資術 ~月6万円から始められる年利8%のホテル投資のコツ~』(ビジネス教育出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。

 

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※本連載は、町田健登氏の著書『フィリピン不動産投資術 ~月6万円から始められる年利8%のホテル投資のコツ~』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

フィリピン不動産投資術 ~月6万円から始められる年利8%のホテル投資のコツ~

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町田 健登

ビジネス教育出版社

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