夫婦でも単身でもキツい「赤字生活」…家計圧迫の正体
2人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯について見ると、可処分所得は65歳~69歳が23万7,121円、70歳~74歳が22万4,737円、75歳以上が20万5,544円となっています(2022年 家計調査年報)。65歳~69歳では4万2,889円、70歳~74歳では2万4,852円、75歳以上では1万5,266円の赤字が発生しています。
65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)について見ると、可処分所得は12万2,559円となっています。一方で消費支出は14万3,139円となっており、毎月「2万580円」の赤字が発生していることが明らかになっています。
2人以上の世帯、単身者世帯ともに、消費支出のもっとも大きなウエイトを占めているのは食費。2人以上の世帯は6万7,776円、単身者世帯は3万7,485円と、それぞれ3割弱を占めています。
さらに家計を圧迫しているのは、非消費支出。直接税や社会保険料といった、節約しようがない負担です。2人以上の世帯では非消費支出が3万1,812円、単身者世帯では1万2,356円となっています。
自助努力の末の「資産形成」…投資信託などが人気だが
国民皆保険制度の日本社会。病気になったり、怪我になったりしたときの手当は厚いものですが、「万が一」に備えた結果、日々の暮らしが厳しくなってしまうのは、なんとも辛いものがあります。
高齢になってからも豊かに過ごそうと、現役世代の間では投資信託をはじめとした資産形成が注目を集めていますが、総じていえるのは「長期勝負」であるということ。FXや暗号資産でリスクを賭けて大儲け……とは基本的に対をなす投資ですから、はじめの数年は「思ったより増えない!?」と驚かないよう注意する必要があります。
「穏やかな老後」。それすらも、危ぶまれている日本社会。高齢化が進むなか、自助努力をするほかない現実は、全世代の人々を苦しめています。
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