少子高齢化進む日本「65歳以上人口のみ」増加
少子高齢化が深刻化する日本社会。令和6年2月1日現在、総人口は1億2,410万人となっています。15歳未満人口は「1,405万人」、15~64歳人口は「7,382万人」、65歳以上人口は「3,622万人」。
前年同月比で総人口・15歳未満人口・15~64歳人口は減少していますが、65歳以上人口は増加しています。
高齢人口の増加に伴い、老人ホームも増加傾向にあります。厚生労働省『令和4年度 福祉行政報告例の概況』によると、令和4年度末現在、老人ホーム(有料老人ホームは除く)の施設数は13,823施設。前年度に比べ79施設増加しています。定員は815,159人で、前年度に比べ5,724人増加しました。
施設の種類別に定員数を見ると、前年度に比べもっとも増えたのは、「特別養護老人ホーム」の6,615人。軽費老人ホームや都市型軽費老人ホームも微増するなか、養護老人ホームが前年比14施設、軽費老人ホームA型が1施設減少しました。
「ゆくゆくは老人ホームに入って…」と考えていたとしても、やはり気になるのは費用感。介護のプロは下記のように言及しています。
“利用者の所得が低ければ補助給付があり、数万から十数万円程度に抑えられますが、一般的な企業で定年まで勤め上げたホワイトカラーの人であれば、特別養護老人ホーム(特養)の個室ユニットに入所し、プライバシーも保ちたいとなると、月額20万円程度の費用がかかる計算になります。両親ふたりとも施設に入所するのであれば、2倍の40万円ほどが必要です。
つまり、配偶者や親を施設に預けるのであれば、本人の年金だけで介護費用をまかなうのはかぎりなく難しいのです。”杢野暉尚『人生を破滅に導く「介護破産」』
月額20万円。これは「老人ホーム代」だけの金額であり、実際の生活には雑費はもちろん発生します。厚生労働省『厚生年金保険・国民年金事業の概況』(令和4年)によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、令和4年度末現在で、老齢年金は「14万4,982円」。 国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、令和3年度末現在で5万6,428円(新規裁定者は5万3,615円)です。ざっと20万円ほど受給できればよいほう、というわけですが、年金だけ生活していくにはあまりにも厳しい数字です。
ちなみに本件、都道府県別に見てみると、厚生年金受給額がもっとも多かったのは1位・神奈川県「16万4,088円」。2位・千葉県「15万8,918円」、3位・東京都「15万7,478円」と続きます。
厚生年金の受給額がもっとも少なかったのは、青森県「12万2,134円」。そのほか秋田県「12万3,060円」、宮崎県「12万3,237円」、沖縄県「12万3,459円」となりました。
一方の国民年金。受給額がもっとも多かったのは1位・富山県「5万9,940円」。2位・福井県「5万9,250円」、3位・島根県「5万9,211円」と続きます。
国民年金の受給額がもっとも少なかったのは、沖縄県「5万1,864円」。そのほか青森県「5万4,031円」、大阪府「5万4,259円」、和歌山県「5万4,789円」となりました。