PE投資の考え方: 機関投資家のアプローチから学ぶ
公開市場が存在しない以上、バリュエーションが常に正確であることを証明することはできません。しかし、PEプロバイダーは、企業のファンダメンタルズに基づき、厳格な会計基準に従って使用されるこれらの方法は、正確な状況を示すと主張しています。
また、上場株式の株価は、ファンダメンタルズだけでなく投資家のセンチメントにも左右されるため、効率的ではないことが多いとも指摘しています。
関連する点として、プライベート・エクイティの保有株式は、通常、月次または四半期ごとという長い間隔で評価されるため、公開市場の価格にしばしば影響を与える短期的なセンチメントの影響を受けにくい傾向があります。これは、一般的にボラティリティが低いことを意味します。
PEのエクスポージャーを得るために流動性の高い上場投資信託を選択した投資家は、取引所で取引されることから生じる日々の価格変動のため、公開市場のボラティリティをより高く引き受けることになります。これは、NAV(純資産価値)に対するディスカウントによく表れています。
シュローダーのプライベート・アセット&インベストメント・トラストのセールス・ディレクターのジェームス・ロウ氏によると、「非公開市場」の考え方は、ポートフォリオ内で効率的なPE配分を実施するのに役立つといいます。
「投資家と話す際には、各マネージャーの評価方法、プロセス、ガバナンス、利用可能なリソースを理解することが非常に重要であることを強調しています」とロウ氏は言います。
「私たちのオープンエンド型エバーグリーンPE戦略では、US GAAPやIFRS第13号などの会計基準に沿って運用し、評価は4大監査法人のうち3社の監査法人によって様々なタイミングで監査され、社内のプライベート・アセット・プライシング委員会とグループ・プライシング委員会によって定期的にレビューされています。
シュローダー・キャピタルは近年、バリュエーション・チームとバリュエーション・プロセスに多額の投資を行ってきました。これは、セミリキッドPE戦略を適切に管理するために極めて不可欠な要素でした」
しかし、短期的なバリュエーションに重点を置きすぎることは、暗黙のうちにパブリック・マーケット的な考え方を採用することになるとロウ氏は考えています。
「それは私たちの見解ではより広範なポートフォリオでプライベート・エクイティを活用するための最も効果的な方法とは思えません」
ロウ氏は、機関投資家が長年成功させてきたモデルから学ぶことを推奨しています。
「戦略的かつ長期的な資産配分計画の一環としてPEポジションへ投資することです。戦略的な資産配分の規律は、投資家が定期的に取引ができる柔軟性を提供するPEビークルに投資する場合、さらに重要になります」
「投資信託、セミリキッドファンド、LPは、それぞれ異なるメリットを持つ有用なストラクチャーです。しかし、投資家がどれを利用するにせよ、私たちのアドバイスは、PEへの投資配分は長期的な時間軸で考えることです」
「PEのリターンプレミアムは、非流動性、複雑性、この分野での運用に必要とされる希少なスキルから生じることが多く、公開株式市場のベータへのエクスポージャーを軽減することで全体的なリターンを平準化する能力からも恩恵を受けるためには、これが最善の方法であると考えています」
福澤 基哉
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
執行役員/プロダクト統括
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