高齢化が進むNZ…「リタイアメント・ビレッジ」の建設が増加
ニュージーランドも核家族化が進んでいます。もともと生活サイクルにも個人主義が浸透しており、子どもたちも学校の卒業と同時に家を離れるケースがほとんどです。親も子も独立した世帯、という意識が強いため、親のほうが、子どもを置いて他国に移住する…という決断をする家族もいます。
老いた親の面倒を見る、という家族ももちろんいますが、お互いが独立して暮らすケースが多いため、近年は「リタイアメント・ビレッジ」の建設が盛んになり、70歳以上の老人のケアに注目が集まっています。
リタイアメント・ビレッジという言葉に明確な定義はありませんが「高齢者が快適な老後を暮らすために必要な施設を揃えた村のような場所」といった意味合いで使われます。
最近も、大型アパートの建築現場を見て、てっきり普通のアパートメントだと思っていたところ、リタイアメント・ビレッジだと知って驚きました。
リタイアメント・ビレッジの館内に入ると、カフェ、レストラン、バー、図書館、プール&ジムなどなど、リゾートホテル並みの施設となっています。映画館も運動場も完備され、ここで優雅なリタイア生活を送っているお年寄りの多いこと…!
日本では温泉付きマンション型の老人ホームが人気のようですが、ニュージーランドは、大型アパートメントのリタイアメント・ビレッジが多く、敷地内に家庭菜園がある、ボーリングやパターゴルフなどを楽しめるスポーツフィールドがある、池や噴水がある、などが人気の条件なようです。
シルバーサービス関連に、新たなビジネスチャンスありか
約15年前、お客様から「高齢の親のことが気になるので、リタイアメント・アパートメントを探したい」と問い合わせがあり、一緒に見学に行ったことがあります。そのときはまだアジア系の人口が少なかったため、言葉の問題で受け入れはできない、と断られてしまいました。
しかし、さすが国際化都市・オークランドです。いまでは、誰でも…とまではいいませんが、国籍で線引きされることなく、国際色も豊かになり、各国の行事も行われ、移民国家として、うまく調和しています。
私自身も昔は、「カフェ&レストラン完備だから自由にご飯を食べに行けるし、ケアホーム部門では食事が提供されるけれど、和食も出ないし、正直、老後に住むのはちょっとなあ…」と考えていました。しかし近年では、寿司ブームの影響でお寿司が出たり、なかには、和食もどきを提供していたりするところもあるようです。和食メニューがなくても、フードデリバリーサービスが充実するようになったため、食の面での不安は除かれつつあります。
このような、リタイヤメント施設への投資プログラムなど、リタイヤメント層をターゲットにしたビジネスがニュージーランドにでも盛んになってきています。
貿易国、酪農国、観光業、留学斡旋…とニュージーランドをターゲットにしたビジネスは多々ありますが、シルバーサービスのような、日本の得意分野で、ニュージーランドにはないものを取り入れる形のビジネスにチャンスがあると感じています。
一方、ニュージーランドの形式を日本に導入し、日本のリタイヤメント層がさらに楽しく過ごせるようなビジネスも、可能性を多く秘めていると思います。
住宅関連の直接的投資もあれば、それに付随する形での投資もあり、不動産売買のスキームも関連して、今までとは異なる分野の投資に注目している今日この頃です。
一色 良子
Goo Property NZ LTD 代表取締役社長
Arizto Ltd 所属
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