(※写真はイメージです/PIXTA)

競馬はネットでも馬券を購入できる、身近なギャンブルのひとつです。趣味として楽しむ人も多いでしょう。しかし、払戻金に対する税金について、正しい知識を持っていなければ後々後悔することも……。本記事では、競馬の税務申告について木戸真智子税理士が解説します。

はずれ馬券もあるから実際儲けてはいないのに…

Aさんは、調査官にとんでもない追徴課税を言い渡されます。

 

いきなり、ドンと入ってきた競馬の利益。嬉しくていろいろな使い道を考えては、使ってしまってきたので、大金はAさんの手元には残っていませんでした。

 

Aさんの主張は以下。

 

確かにそのときは大当たりしたけれど、Aさんは競馬ファンで時間があれば競馬を楽しんでいたため、馬券もそのたびに購入していました。ですから、はずれ馬券も合計すると、大当たりした金額とほぼ変わらないくらいの馬券の購入金額になっていました。以前にニュースではずれ馬券も経費になるという話を聞いたこともあったので、その分も経費として申告をしていたのです。

 

具体的に計算にしてみると、

 

Aさんの当初の申告

年間の競馬の払戻金  1,300万円

当たり馬券の購入金額  40万円

はずれ馬券の購入金額 1,400万円

 

となり、Aさんの計算では税金はかからないという考えでした。

 

しかし、正しい計算は以下になります。

 

(競馬の払戻金1,300万円-当たり馬券の購入金額40万円-特別控除額50万円)×1/2=605万円

 

なんと605万円が課税対象となります。追徴課税は約200万円にもなってしまいました。

 

はずれ馬券を経費にできるのは、よほど稀な事例で、熱狂的な競馬ファンであるAさんにも当てはまらないほどに日々大量に馬券をソフトを使って購入するなどの普通では該当しないようなケースになります。

 

そのようなケースに当てはまるときは雑所得として取り扱われ、はずれ馬券も経費として認められるという判例もあります。この雑所得とは、所得税の分類がいくつかあるなかで、そのいずれにも当てはまらないものが雑所得になるという位置づけです。

 

よくある例としては年金や副業の収入が該当します。あくまでも営利目的で継続的に行っているかどうかというところがポイントになるので、これが認められるのはなかなか難しいので、普通は一時所得になるという認識になります。

 

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