「そろそろまずい」決死の覚悟で自宅を出ると…
必死で働いた貯蓄が半分を切ったことに気づいた頃、「そろそろまずい」と決死の覚悟で半同棲していた自宅を出ていったところ、「もう生きていけない」などと脅すようなメッセージがケータイに届くようになります。そうなると、不安で診療も手につきません。
やがて、病院や実家への無言電話などの嫌がらせ行為も始まり、毎日ストーカー被害に悩まされることになりました。開業の夢も遠のいてしまいましたが、なんとか必死に働く……、というなんとも辛い日々を送っていたとのこと。
ある日、これは結婚詐欺ではないか?と頭をよぎり、弁護士に相談することを決意します。弁護士からは「むしろ逆ではないか?」との返答がありました。結婚詐欺は、結婚するといって多額のお金を請求する詐欺です。本件は言うなれば「結婚してくれ詐欺」なのです。
婚姻届だけは出さないように、と弁護士からアドバイスを受けました。
さらに調査を進め、彼女は「GMARCH卒」「昼も働いている」といった経歴も詐称していたことが判明します。弁護士から「婚姻していたら財産の半分を奪われていた」とも告げられ、本当に婚姻しなくてよかった、弁護士に相談してよかった、と思ったと語ります。
山野さんは医師ですから、「普段からほうぼうでモテそうなものなのに、引っかかってしまうのか」と思う方もいるでしょう。ですが真面目な生活を送っていた彼は、「出会いといえば、職場くらいにしかなかったもので……」と語ります。
この一件を通じて、山野さんは開業の夢を一時的に諦めざるを得なくなりました。貯蓄は大幅に減り、精神的にも大きなダメージを受けましたが、最終的には弁護士の助けを借りてなんとか新たな一歩を踏み出すことができました。彼の経験は、「出会いの場では慎重に」ということ、そして「金銭管理の重要性の高さ」を痛感させるものでした。
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