(※写真はイメージです/PIXTA)

以前は明確なアセット・クラスとして認識されていなかったプライベート・クレジット。文字通りプライベート(未公開)な資産の1つとして、貸付や債権といった信用リスクをリターンの源泉とした投資対象のことを指します。今回は、米国の大手資産運用会社であるアライアンス・バーンスタイン(以下「AB」)が、そんな「プライベート・クレジット市場」の現状と注目の投資対象について解説します。

「スペシャリティ・ファイナンス」は見逃せない成長領域

4.消費者・住宅・商業向けローン

消費者・住宅・商業向けローンでは、中小の銀行が資本強化のため融資を削減せざるをえなくなり、米国では2022年以降、1兆米ドルを超える預金が銀行システムから流出しました。

 

そのギャップを埋めているのが、プライベート市場で資金を運用する投資家です。彼らは、将来のローン組成資金の供給役であり、過去に組成された消費者ローンの取得役になっています(図表2)。

 

出所:AB
[図表2]プライベート・クレジットはどのようにしてギャップを埋めることができるのか 出所:AB

 

消費者・住宅・商業向けローンのように「スペシャリティ・ファイナンス」と呼ばれる戦略は、プライベート・クレジットでも見過ごせない成長領域ですが、資産配分の面で過小評価されがちです。

 

また、世界的に「中間層」が増加し、コロナ禍後に移動が活発化していることが、消費者ローンのみならず、新たな投資機会の創出を後押ししています。その代表例が、航空機リースといったファイナンスです。

 

長期間にわたる高金利がハードルになる戦略はあるものの、経済全般への見通しは明るく、プライベート・クレジットの利回りはコロナ禍前の水準をはるかに上回る状況が続きそうです。関連市場は非常に速いスピードで成長し続けていることは、貸し手にとっても、また投資家にとっても同様にポジティブなニュースだと当社では捉えています。

 

 

清森 英晃

アライアンス・バーンスタイン株式会社

プライベート・オルタナティブ部 ディレクター

 

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【ご注意】
※本稿は、ABのリサーチブログ「知の広場」の「攻守に活きるダイレクト・レンディング」、「プライベート・クレジット市場の見通し:金利上昇のプラス面」を参考に、再編集したものです。詳細については当該ブログをご覧ください。
本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン・ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。
当資料は、2024年4月3日現在の情報等を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が再編集した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。

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