(※写真はイメージです/PIXTA)

「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』などとともにみていきます。

給与が増えても…「手取り24万円」36歳男性の生活

厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』によると、2022年(令和4年)の平均賃金は次の通りです。

 

36歳男性の平均月収:36万円

36歳女性の平均月収:27万円

 

これらの額から所得税、住民税、健康保険、厚生年金、雇用保険などの各種税金や社会保険料が引かれます。具体的には、以下のような割合で控除されることが一般的です。

 

所得税:約5%

住民税:約10%

健康保険:約5%

厚生年金:約9%

雇用保険:約1%

 

これらの控除を合計すると、約30%が差し引かれる計算になります。36万円の月収であれば、約10.8万円が控除され、手取りは25.2万円となります。女性の場合、27万円の月収で控除後の手取りは約18.9万円となります。

 

佐藤さん(仮名/36歳)の手取り収入は24万円。そこから家賃や生活費を捻出する毎日は、決して楽ではありません。月々の支出は以下の通りです。

 

家賃:6万円

食費:4万円

光熱費:1万円

通信費:1万円

交通費:2万円

その他生活費:5万円

貯金:3万円

娯楽費:2万円

 

この内訳を見ると、収支はほぼギリギリです。貯金はわずかに3万円、娯楽費に回せるのも限られた額です。

 

「手取り24万円で生活するとなると、毎月のやりくりは大変です。突発的な出費があると、それだけで大きな痛手になります。例えば、急に家電が壊れたり、冠婚葬祭が重なったりすると、それだけで家計が一気に苦しくなります」

 

佐藤さんの手取りが少ない理由の一つに、年々増加する社会保障費の負担があります。「社会保険料や税金がどんどん引かれていくので、年収の割に手取りが少ないと感じます。特に健康保険や年金の負担が重く感じられます」と佐藤さんは語ります。

 

2000年代初頭から、年金や健康保険などの社会保障費の負担は増加し続けています。厚生労働省のデータによれば、2002年から2017年の間に、年収500万円の人の手取りは約35万円、年収700万円の人の手取りは約50万円も減少しました。この傾向は今後も続くと予想されています。

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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