1人暮らしの実家の母、独身40代の長女を振り回し…
40代の独身女性は、高齢となった母親のワガママに頭を抱えている。数年前に父が先立ち、いまはひとり暮らしの母親だが、年齢を重ねるにしたがって不安が大きくなったのか、ことあるごとに実家から1時間近く離れた賃貸マンションに暮らす女性を呼びつけるのだという。
女性には4歳年下の弟がいるが、母親のケアには一切ノータッチ。
「私は30代で婚約破棄してから、ずっとひとりです。結婚準備のために新卒で入社した大手企業を退職してしまい、その後、中小企業に転職するハメになりました。生活は正直ギリギリです」
一方の弟は、20代で大学の同級生と結婚し、子どもにも恵まれマイホームも購入し、まさに順風満帆。
「母親は私を呼びつけては、弟と私を比較し、〈本当にあなたはダメねぇ〉〈こんなことになってしまって、みじめねぇ〉とため息をつくのです」
「そんなに弟が好きなら、人をいちいち呼びつけるより、弟家族と一緒に暮らせばいいのに! とキレたことがあるのですが、〈あの子に頼れるわけないじゃない〉と…」
国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』によると、妻の年齢が70歳未満となる世帯を対象として、妻と夫のそれぞれの両親(以下、4人の親)のうち誰かと同居している割合および妻方または夫方のいずれかの母親と同居している割合をみた場合、2022年調査における「4人の親のうち誰かと同居」「どちらかの母親と同居」の割合は7世帯に1世帯程度となっており、いずれも2013年調査の半分以下になっており、割合が大きく下がっているといえる。
年齢を重ねた母親も、息子や嫁に身の回りの面倒を見てもらうより、実の娘のほうが、多少のいがみ合いがあったとしても、まだ気が楽ということか。
「親しい友人に母のことを愚痴ったら、〈あなた、そんなひどいこと言われて平気なの?〉〈お母さんのお世話、弟さんと負担の大きさが全然違うじゃない?〉と驚かれてしまいました」
合同会社serendipityが20歳以上50歳未満の男女を対象に実施した調査によると、「他のきょうだいと自分の扱いに対して親への不満がありましたか?」の問いに対して、長女の64.7%が「不満あり」と回答。全体的に男性よりも女性のほうが親に不満があったことがわかる。
【きょうだい格差「親に不満あり」の割合】
長男:47.1%
長女:64.7%
中間子男:56.7%
中間子女:67.2%
末子男:42.5%
末子女:57.1%