母の老人ホーム入居を決断
山本さんはなんとかデイサービスを活用した自宅での介護を続け、面倒を見てくれないかと恵子さんにも相談しました。
しかし、恵子さんにとっては自分の母親の介護を頼りきろうとする山本さんの態度が許せません。当然、お金の負担が自分たち夫婦の今後の家計にを圧迫していくことは理解していますが、現状のような壮絶な介護が今後も続くことを考えるとゾッとするといいます。恵子さんが同意することはありませんでした。
結局、仕方なく山本さんは母のグループホームへの入居を決め、いつまでも続くかわからない費用を支払い続けることになったのでした。
介護貧乏を避けるには?
今回の山本さんが経験したように、介護は精神的にも経済的にも大きな負担となることがあります。どこか他人事に思えてしまい、自分が介護が必要になる状態などあまりイメージできず、介護状態への備えを特に考えていないという方も多いものです。
しかし、実際には親の介護費用が子供にとって大きな負担になることもあり、また介護がきっかけで家族の関係性が悪くなってしまうこともあります。
要介護度が進むことで負担が少ない特別養護老人ホームに移ることもできますが、見通しが立つものではないでしょう。それまでのグループホームの費用などは準備しておくことが望ましいといえます。
高齢の親、定年前後の子…子世代も自らの介護の準備を
老後の資産形成を行う際には、自分が介護が必要になった場合も想定して準備しておくことが重要です。
介護状態への対策は生命保険の活用も有効です。いまある資産を運用しながら所定の介護状態になった場合に保険金として受取ることができる商品もありますので、そういった保険商品の検討もまだ元気なうちに検討しておいたほうがよいといえます。
また、山本さんのように妻に自分の親の介護を任せきりにしてしまうのも問題です。介護休暇や有給を活用したり、自分の親の介護にもっと主体的に関わる姿勢を見せれば恵子さんのストレスも軽減され、デイサービスで対応することもできたかもしれません。
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