(※写真はイメージです/PIXTA)

日本の「公的年金制度」は現役世代が高齢者を支える仕組みとなっているため、少子高齢化が止まらない日本では不満の声が聞かれることも少なくありません。しかし、公的年金は老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金など我々の「万が一」のときにも役に立つものです。具体的な事例をもとに、「遺族年金」の仕組みと受給できない場合の“救済措置”をみていきましょう。AFPの石川亜希子氏が解説します。

「死亡一時金」「寡婦年金」…Aさんを助ける2つの措置

Aさんのように、遺族基礎年金を受け取ることができない場合の救済措置として、「死亡一時金」と「寡婦年金」があります。

 

「死亡一時金は、保険料を納めた月が36月以上あれば、保険料を納めた月数に応じて12万円~32万円が1度だけ支給されるというものです。

 

「寡婦年金」とは、夫を亡くした妻が、夫が受け取るはずだった老齢基礎年金の4分の3に当たる金額を60歳から65歳までの5年間毎年受け取ることができるものです。ただし、こちらは保険料を納めた期間が10年以上必要で、かつ、婚姻関係が10年以上継続していたこと、生計が同一であったことも要件となります。

 

また、この死亡一時金と寡婦年金は、どちらか一方のみを受け取ることも可能です。

 

年金制度は年々複雑に…情報は自分で取りにいく時代

1961年に国民年金制度が創設されてから50年以上が経ちましたが、当時の予想を超えるスピードで少子高齢化が進み、制度は複雑になっています。最近では、国民年金保険料納付期間の5年延長や、第3号被保険者についての改革も話題に上っていて、今後ますます複雑化していく見込みです。

 

Aさんのように、最愛のパートナーを亡くした悲しみや喪失感に加えて、遺族年金が受け取れないとなると、その後の人生に大きな影響を与えてしまいます。年金制度を正しく理解し、制度の改正などについても自分事として興味を持つようにしましょう。

 

また、人生100年時代、公的年金制度だけに頼らず、私的年金として自分で老後の生活費を用意していくことも大切です。

 

自営業者など第1号被保険者であれば、「国民年金基金制度」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」という方法がありますし、会社員など第2号被保険者であれば、iDeCoの他、会社によっては「企業年金制度」も利用できます。これらの制度には税制優遇制度があるため積立時からの節税効果も大きく、ぜひ利用していきたいところです。

 

情報が溢れている現代は、自分に必要な情報を自分で情報を取りにいかなければならない時代です。

 

自分が受け取れる公的年金はいくらくらいなのか、そこから逆算して自分でいくらくらい用意すべきなのか、そしてそのためにはどんな制度があるのか……元気なうちにしっかりと調べ、準備しておくようにしましょう。

 

 

石川 亜希子
AFP

 

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